とにかく軽い「R」、小型軽量2スピンドルの「W」、大画面軽量の「Y」とじつに個性豊かなLet's noteのラインアップにあって、Rと並んで古株の「T」シリーズはRほど軽くなくWと同じサイズなのに1スピンドルと、ほかのシリーズと比べてスペック的な特徴が見えにくい仕様になっていた。
小さいPCが欲しければ「R」シリーズがあるし、同じサイズの12.1インチ液晶ディスプレイ搭載ノートを使うなら、2スピンドルの「W」シリーズがある、ということで、筆者もTシリーズには「キャラが微妙にかぶっていますね」的なイメージを長らく持っていてさほど気にしていなかった、というのがこれまでの正直な感想だった(松下電器産業によると企業ユーザーに最も愛されているLet's noteが「T」シリーズである、といわれてもいたのだが)。
そのTが、夏モデルで「T2」から「T4」へと一気に進化したとき、松下電器産業は「耐100キロ級ボディ」というキーワードで堅牢性をアピールしてきたが、それよりも「バッテリー持続時間12時間」というスペックにいたく興味をかきたてられた。
これまでも、オプションの超大型バッテリーパックを搭載した状態で10時間以上のバッテリーライフをアピールするノートPCがあったが、Let's note T4は標準バッテリー搭載、1.26キロの状態で12時間という駆動時間が実現できるという。個性が強すぎる兄弟ノートPCに囲まれて、いままで「地味な優等生」的印象だったTシリーズが思いっきり強烈な技を習得して一躍スターに、というぐらいのインパクトだ。
ノートPCのカタログにあるバッテリー駆動時間は、JEITA1.1テストの結果であったとしても、たしかにそれは省電力機能を最大限活用して実現できる値にほぼ近い。街のホットスポットで無線LANを使ってアクセスしていると、どんどんバッテリーが消費されていくのは多くのノートPCユーザーが経験していると思う。
「バッテリー持続5時間」程度のノートPCを使っているならば、たとえば、無線LANのオンオフ、ぎりぎり見える範囲での液晶ディスプレイの輝度設定は当然として、オーディオプレーヤーやRTCなど不要不急なソフトもオフにするなど、屋外利用時は常に電力管理に気を使い「切り詰めた」使い方を心がけるようになる。
T4も、12時間というスペックを現実のものにするには液晶の輝度を下げ、ネットワークアダプタをDisableにするなど、それなりの努力と我慢は必要になる(考えすぎかもしれないが、評価機のBIOS設定は初期状態で内蔵するLANアダプタを有線無線とも“無効”にしていた)。
現在の電力消費状態を知る簡単な方法として、OSのコントロールパネルが持つ「電源オプション」機能で「バッテリ電源の残容量」が示す値の変化をチェックする、というのがある。
T4でネットワークを使わず、影響輝度を最小限にして原稿入力程度の作業をしていれば「残り11:30時間」あたりを示すが、液晶の輝度を半分程度にしただけでこの値は「残り10:00時間」に程度になり、さらに、この状態で3DMark03といったベンチマーク、MP3、MPEG-2ファイルの再生などある程度負荷がかかるソフトを個別に動かすと「残り8:00時間」程度に減ってしまう。
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