レノボ・ジャパンは6月8日、東京都内でB5コンバーチブル型TabletPC「ThinkPad X41 Tablet」の記者発表会を開催した。そこでの説明から見えてきた同製品の特徴をリポートしよう。
「ThinkPad X41 Tablet」は、その前身であるIBM時代も含めて、Lenovoが市場投入する初めてのタブレットPCである。また、レノボ・ジャパンが発足して初めての新製品であり、記者発表会には、Lenovoの開発担当副社長Jan Janick氏をはじめ、ブランド&マーケティング担当執行役員の荒川朋美氏、製品開発研究所担当常務執行役員の小林正樹氏らが出席した(6月8日の関連記事参照)。
ThinkPad X41 Tablet(以下、X41 Tablet)は、その名が示すとおり“ThinkPad”のタブレットPC版である。「その名が示すとおり」というのは、タブレットPC化にともなってボディ構造などが大幅に変更されているものの、ThinkPadとしての設計デザインポリシー(Think Vantageデザイン)はX41 Tabletでも一貫しているという意味だ。
それを端的に示す例が、トーチャー(拷問)テストをはじめとする各種の品質保証テスト。レノボはThinPadの品質を保証するため、衝撃試験や圧迫試験、落下試験、開閉試験、ひねり試験、加熱/冷却試験、液体落下試験などを実施しているが、X41 Tabletはそれらの試験にすべてパスしているほか、X41 Tablet専用に追加された液晶タブレットヒンジの回転テスト、液晶タブレット面への加圧テスト、ラッチの強度テストにも合格している。
従来のThinkPadと同様、キーボードは7列フルサイズで、ポインティングデバイスはTrackPoint。ハードディスクへの衝撃を事前に察知して磁気ヘッドを安全な場所に退避させる「ハードディスク・アクティブプロテクション・システム」や、指紋センサーとセキュリティチップによる生体認証、IEEE802.11b/g対応無線LANなども標準搭載している。
なお指紋センサーは液晶タブレット下部に搭載されており、ノートPCモードとタブレットモードのどちらでも違和感なく使用できるように、ThinkPadでは初めて双方向スキャンに対応した。これにより、ノートPCモードでは左→右、タブレットモードでは上→下(センサーを基準にすると右→左)に指を動かすだけで指紋認証が行える。
ThinkPadの特徴のひとつである放熱設計も、X41 Tabletでは継承・強化されている。従来のThinkPadは、パームレストやキーボードなど、ユーザーの手が触れる部分が熱くならないことを重視して放熱設計されていた。これに対しX41 Tabletでは、タブレットモード時はボディの底面に腕を回して抱え持つようなスタイルになるため、底面にも熱基準を設けてそれをクリアできるようにしたという。
具体的には、使用モードを検知するセンサーを液晶タブレット部に搭載し、タブレットモード時は内部ファンの速度を上げて熱を逃がし、ノートPCモード時は従来のThinkPadと同様に底面からも熱を逃がすようにして、効率的かつ適切な温度管理を実現した。
これらはすべて、X41 TabletがThinkPadであるがゆえの特徴と言えるだろう。
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