Intel、最新版のNORフラッシュをサンプル出荷

» 2005年06月18日 08時09分 公開
[IDG Japan]
IDG

 フラッシュメモリの主要2規格であるNANDとNORの争いが激化する中、Intelは自社の最新版のNORフラッシュチップを携帯電話メーカー向けにサンプル出荷済みであることを明らかにした。

 このチップはコードネーム「Sibley」と呼ばれ、90ナノメートル製造技術で作られたIntel初の512Mビットデバイス。従来のNORチップに比べて読み込み速度が2倍、書き込み速度3倍、消去の速度は4倍になっていると、Intelのフラッシュ製品部門最高技術責任者、エドワード・ダラー氏は6月16日のWeb放送イベントで説明した。

 NORはNANDとの競争上、ストレージ容量の増大が重要だ。チップ当たりの容量が大きいという理由でNANDフラッシュメモリを選んだ携帯電話メーカーもある。新型の携帯電話ではカメラと音楽プレーヤーのストレージ需要に対応する必要があるためだ。この傾向は、従来から携帯電話に使われていた主要メモリであり、Intelのフラッシュ市場向け主力製品であるNORフラッシュを脅かすものとみなされてきた。

 調査会社iSuppliによれば、今年1〜3月期のNAND販売額は、初めてNORの販売額に追いついた。NORの販売額が前期比で11%減って20億2000万ドルになったのに対し、NANDは16%増えて20億5000万ドルとなった。

 Samsung Electronicsが先月発表した最新のNANDチップは4Gビット分の楽曲、画像などのデータが保存でき、NORをはるかにしのいでいる。一方、Intel最新版のNORチップは2つ重ねて1Gビットデバイスにすることができる。

 それでも携帯電話でNORがNANDに取って代わられるのではないかという懸念は杞憂にすぎないとダラー氏は言う。同氏に言わせればNORの方がコスト効率が高く、バッテリー消費量も少なくて済む。

 Intelの今後の計画にはNAND相当製品は含まれていない。同社は先に、NORラインと新型のNOR方式の組み込みフラッシュメモリの継続によって、フラッシュメモリ市場で首位の座を奪還する意向だと述べている。

 コードネーム「Capulet」と呼ばれるIntelの次期NORチップは2006年に量産開始の予定で、ダラー氏によれば65ナノメートル製造技術で作られる1Gビットチップとなる。続いて45ナノメートル技術を使ったフラッシュチップを2008年に投入し、2010年には32ナノメートルチップ、2012年までには22ナノメートルチップを目指す。この番号は、チップ表面上の回路機能の面積を指す。

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