2005年のPC夏モデルの発表が大方でそろってきたところで、そろそろボーナス商戦が始まってきます。
メーカー製PCのここ数年のトレンドと言えば、やはりPCでTV録画や視聴が可能な機能です。基本的には同等機能で、より垣根も低い傾向にある家庭用HDD/DVDレコーダーは当然ながらボーナス商戦目玉の1つとなると思いますが、PCもさらなる“物欲刺激ポイント”を備えてきています。
たとえばTV機能付きディスプレイをはじめ、ディスプレイそのものの大型化に加えて、PC上で編集を行える作業の容易さや、仕事やインターネットの作業をしながらでもPCの画面のはじっこで手軽にTV視聴ができるなど、家電では補いきれない便利な使い道はも多々考えられることが特徴です。
そこで今回は、すっかり定着しつつあるPCにおけるTV機能を改めて見直してみるとともに、メーカーごとの違いや用途に応じた購入のポイントをチェックしくことにしましょう。
日本電気製PCが備えるTV機能では、同社独自開発の高画質化エンジン「VISITAL」の搭載が特徴です。
このVISITALには、ゴーストリデューサー(ビルが交錯する地域などにて受信映像が二重に見えてしまう現象を防ぐする回路)やデジタルノイズリダクション(映像の前後フレームを比較し、ざらついた印象に見えるノイズを取り除く回路)、3次元Y/C分離(輝度信号・色信号を水平垂直方向と時間軸方向のデータの違いを利用して分離し、色のにじみなどを抑える回路)など定番の高画質化機能に加えて、映像をより滑らかに表示する「60フレーム映像表示」や「動き適応型IP変換」と言った、さらなる高画質化機能も備えているのも魅力です。また、PCを起動せずともTV視聴やCD/DVD再生ができる「インスタント機能」も備えています。
26インチないし20インチ液晶ディスプレイ一体型モデルの「VALUESTAR W VW900/CD」「VALUESTAR W VW700/CD」は、2基のTVチューナーを搭載しています。このため視聴時に裏番組の録画もできる「ウラ録画機能」が備わっています。
なおVALUESTAR Lシリーズのうち上位モデルとなる「VALUESTAR L VL770/CD」、「VALUESTAR L VL700/CD」には、チューナーを2基搭載するWチューナー型TVキャプチャーカードが備わっており、2番組の同時録画が行えます。
また、PCではまだ対応製品が少ない“地上デジタル放送対応モデル”もあります。VALUESTAR TXシリーズの上位モデル「VALUESTAR TX VX980/CE」は、地上デジタル放送以外にもBSデジタル、110度CS放送などの各種デジタル放送に対応しており、視聴や録画が行えます。
富士通のPCでは、TV機能に独自開発の高画質化技術「Dixel」テクノロジー採用チップ搭載が1つめの特徴です。定番の高画質化機能に加えて、黒系濃淡の色つぶれを防ぐブラックエンハンサ、白飛びをおさえるホワイトエンハンサ、ブロックノイズを軽減するデブロッキングといった機能で映像をさらに高画質化しているといいます。
このラインアップで最もインパクトのある32インチワイド液晶ディスプレイ一体型モデルの「FMV DESKPOWER TX」シリーズ(TX90L/Dなど)を筆頭に、20インチまたは17インチ液晶一体型モデルの「FMV DESKPOWER LX」シリーズ(LX90L/Dなど)で、各種デジタル放送の視聴、録画も可能となっています。なおDESKPOWER TXシリーズは、2番組同時録画も可能です。
ほか、横置きタイプでAV機器のようにリビングルーム設置にも向く「FMV DESKPOWER H」シリーズ(H70L9Vなど)や、スタンダードデスクトップモデル「FMV DESKPOWER CE」シリーズ(CE75L9/Fなど)にもTVキャプチャーカードが標準搭載されています。一部の高画質化機能はインスタントTV機能使用時のみにしか適用されないなどの機能省略部分はありますが、その分安価な傾向にもなっています。
ソニーのPCでは、何といってもTV表示時の映像を鮮明にするために開発されたという高画質表示エンジン「Motion Reality」が特徴です。
これは、同社が家電で培った映像表示の技術を専用チップで行うもので、その効果は絶大と言われます。また、同機能を専用チップではなくソフトウェア的に行う「Motion Reality LE」機能を備え、安価にしたモデルもラインアップされています。
液晶ディスプレイ一体型モデルで、まるで家庭用液晶TVのようなデザインの「VAIO type V」シリーズ(VGC-V204RBなど)では、全モデルがTV機能を備えるうえに、上記のMotion Realityチップ搭載、定番の高画質化回路を備えるなど、パーソナルユースや書斎などでPC機能と共にTV視聴を楽しむにはもってこいのモデルとなるでしょう。
そして薄型スリムデスクトップの「VAIO type H」シリーズも、全モデルにTV機能を備えています。このシリーズは、ソフトウエアによる高画質表示機能Motion Reality LE機能を備えるモデルと、高画質化回路非搭載モデルに分かれます。同シリーズのうち「VGC-H70WB7」と「VGC-H50WB7」は2基のTVチューナーカードを搭載し、2番組同時録画が行えます。
デュアルコアCPU搭載のハイエンドデスクトップシリーズとなる「VAIO type R」(VGC-RA73PL9など)、そしてちょっと古いモデル(2004年10月発表)ですが6番組(+1)同時録画が行えるAVレコーディングサーバー「VAIO type X VGX-X90P」も、全モデルで定番の高画質化機能を備えています。
type Rのうち「VGC-RA73PL9」、VGX-X90Pはデジタル放送の視聴、録画が可能です。
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