性能面はもとより、耐久性や操作性なども含めたノートPCとしての完成度の高さで幅広いユーザーから支持されている「ThinkPad」シリーズ。そのThinkPadからコンバーチブルタイプのタブレットPCが登場した。それが「ThinkPad X41 Tablet」である。
これまでにもIBM(現レノボ)はペン操作・入力に対応したThinkPadやデジタルノートパッドを製品化してきたが、Windows XP TabletPC Editionを搭載したタブレットPCは、今回の「ThinkPad X41 Tablet」(以下、X41 Tablet)が初となる。当然、「ThinkPad」というブランド名を冠しているだけあり、非常に完成度の高い製品に仕上がっている。
見た目は通常のThinkPadシリーズとほぼ同等だ。ブラックボディに直線的なデザインのいわゆる“弁当箱”スタイルは、まさしくThinkPadそのものである。そしてまず、実際に手にして驚いたのがディスプレイ部である。
コンバーチブルタイプのタブレットPCは、液晶ディスプレイを180度回転させることでピュアタブレット機としても利用できるようになっている。
しかし、液晶ディスプレイを回転させるというギミックを実現するために、ディスプレイ部は中央1カ所のヒンジのみで支えられ、さらにそのヒンジ部分を回転させる必要があるため、一般のコンバーチブルタイプではどうしてもディスプレイ部がぐらつきやすくなってしまう傾向があった。
しかしX41 Tabletは、そういったギミックを実現しているにもかかわらず、ディスプレイ部が全くと言っていいほどぐらつかないのである。ディスプレイ部を開くときの印象は、通常のThinkPadシリーズと全く変わらないと言ってもいいだろう。堅すぎず柔らかすぎず、かといってぐらつくこともない。何も知らされずに触っていたら、これがコンバーチブルタイプのタブレットPCとは思わなかったかもしれない。
また、液晶ディスプレイ自体も、タブレットPCとしての利用を考慮した仕様となっている。視野角が170度と非常に広い12.1インチSuper Wide Angle FFS TFT液晶を採用しただけでなく、液晶ディスプレイの表面に配置された液晶保護プレートの表面側には弱めのアンチグレア(すりガラス)処理、裏面側には反射防止処理をそれぞれ施すことで、映り込みを防止するとともに外光の拡散による画像ボケやコントラスト低下を抑制して、オフィスなど明るい環境でも高い視認性を確保できるようにしている。これも、他のタブレットPCよりもより進化している部分と言えるだろう。
ところで、タブレットモードで利用していて気づいたのが、ノートPCモードの場合と比べて内蔵ファンが勢いよく回るという点。これは、タブレットモードで使用する場合に手や腕に触れる機会が増えるボディ底面が熱くならないようにするためだ。タブレットモード時の底面の熱基準は、パームレストと同等だという。ファン音は若干気になるものの、安定動作がきちんと考えられているわけで、逆に好感が持てる。
なお、ノートPCモードとタブレットモードの違いはディスプレイ部に搭載されたセンサーが検出しており、モードを切り替えると放熱基準/ルートも自動的に切り替わる仕組みになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.