ノートPC好調で、予想を上回る4〜6月期の世界PC出荷

» 2005年07月19日 12時33分 公開
[IDG Japan]
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 市場調査会社のIDCとGartnerはそれぞれ、7月18日に2005年第2四半期(4〜6月期)のPC出荷統計を発表した。今年は低調との予測だったが、ノートPCへのシフトと価格下落により、世界的に出荷台数は好調を維持している。

 IDCとGartnerの5月時点での予想では、経済予想が不確かな状況下にあるため、コンシューマーによるPC購入が低調で、成長率は12%とされていた。しかし、IDCによれば第2四半期のPC出荷は16.6%、Garnterは14.8%の伸張をレポートしている。

 IDCの調べでは、第2四半期におけるPCベンダーの出荷台数は4660万台で、前年同期の3990万台から増加している。Gartnerは前年の4260万台から4890万台に伸ばしたと報告している。

 両社の数値の違いは、「ホワイトボックスPC」のカウント方法によるものだ。Gartnerの数値はホワイトボックスベンダーのシェアが大きいため、合計出荷台数もGartnerの方が多くなっている。

 第2四半期は、全世界でPCの価格競争が激しくなっており、今年後半もPCベンダーはアグレッシブな価格設定を続けるものと見られる。米国におけるPC出荷は前期よりも改善されているが、欧州、中東、アフリカはさらに成長が著しかった。

 Dellは世界のPCシェアでトップを維持。IDC調査では昨年から23.7%伸ばして世界の19.3%のシェアを獲得している。Gartner調べでは17.9%のシェア。

 HPはIDCが15.6%でGartnerが14.6%。米国外では好調で、欧州の多くの国ではHPがトップベンダーである。

 今期はLenovo GroupによるIBM PC事業買収が反映された最初の調査結果となった。IBM時と同様、Lenovoの世界シェア順位は3位で、IDCでは7.6%。買収前の前年同期よりも7.7%伸ばしている。Gartnerによれば、米国では大企業顧客が買い控えたため、出荷台数は9%下落している。しかし、アジア太平洋地域ではLenovoはトップ企業で、出荷台数は18%伸ばしているという。

 Acerはこのところ急成長しており、IDC調べでは前年同期比で62%の伸び。低価格PCと欧州市場での強みが生かされた形だ。富士通は欧州での合弁企業Fujitsu-Siemensの好調に支えられた。IDCによれば、同社の欧州の比率は60%。Gartnerの調査では、Acerと富士通は同位となっている。

 米国ではGatewayとApple ComputerがDell、HPよりも高い成長率でそれぞれ3位、4位を占めた。GatewayはeMachines買収に伴う問題点を解消し、出荷台数で26%伸ばした。AppleはiPodとiTunesのデジタル音楽効果により、PCビジネスでも目覚ましい成長を見せたとIDCでは分析している。

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