初心者向けWindows、売上は10万本MS年次金融アナリストミーティング(1/2 ページ)

» 2005年07月29日 15時31分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、新興市場の初心者ユーザーのニーズに合わせて設計した「Windows XP Starter Edition」を10万本販売した。

 Windowsクライアント部門上級副社長ウィル・プール氏は、Microsoftの年次金融アナリスト向け説明会で、同社は製品ポートフォリオを拡大しており、XP Starter Editionはこれまで22カ国、6カ国語で発売されたと語った。

 同氏は講演の皮切りに、Microsoftにしては異例な発表を行うと述べた。それは、Windows Vistaが予定より進んでいるという発表だった。「わたしの目標は予定よりも早く進み続けることだ。クライアントチームはこれまで良い年を送ってきた」とも。

 「われわれ(Windowsクライアント事業)は昨年度、中国とラテンアメリカの高成長により、売上が6%伸びて122億ドルになった。クライアント側の事業はOEMチャネルが牽引しており、ビジネスの80%はそこから得られたものだ。ここが前年から10%伸びたことに満足している」(プール氏)

 Microsoftは一部の通信企業とともに、初心者ユーザー向けにブロードバンド接続とPCを低価格(月額およそ15ドル)で提供するトライアルも検討しているという。

 不調だった点については、Windowsクライアント部門の年間ライセンス売上が9%減少した。これは主に、新しいOSのリリース時期が不確定なことによるとプール氏。

 「Windows Vistaとそのリリース時期に関する情報が明確になれば、顧客は複数年契約を継続し、われわれのメリットになるだろう。2005年のような売上減はないと予測している」(同氏)

 クライアントチームは引き続き市場のセグメント化を推進し、売上と成長を拡大するために特定のセグメント向けの製品を提供するつもりだと同氏は言う。

 Microsoftはまた、海賊版の抑制など、売上を取り戻す方法を検討している。今週発表された同社の「Windows Genuine Advantage」プログラムは、その戦略の重要な要素だ。

 同社はWindows Vistaではこれまで同様セキュリティを強調するとプール氏は語り、ユーザーによるWindows XP SP2の採用は好調だと付け加えた。

 しかし、Windowsクライアント事業は課題に直面してきたとプール氏。その中で抜きん出て大きなものは、過去の成功だ。「『これで十分』症候群というのが、われわれが積極的に対処している課題だ。これらのユーザーは、まだ自分にとって十分に機能する5〜10年前のコードを走らせている。われわれは彼らに、どうしてアップグレードした方がずっといいのかを示さなくてはならない」

 オープンソースソフトはWindowsのライバルであり、多くの人から重大な脅威と見なされているが、前年度はほとんどの場合において、オープンソースソフトの方がコスト効率がいいということはなかったと同氏。「われわれは『Linuxの24時間現象』を目にしている。顧客がLinuxをインストールしてから1日以内にWindowsの海賊版を自分のシステムにダウンロードするというものだ」

Windowsを買うか買わないか、それが問題だ

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