では実際に使っていこう。技ありBOXは、本体上面の切り替えスイッチにより機能を切り替えて使用する。USBデバイスやメモリカードの単体バックアップには「OTG」モードに、PCとUSB接続して外付けHDDとして使う場合には「PC」モードに設定する。
まずはデジカメのデータをバックアップしてよう。本体スイッチを「OTG」モードに設定してから、SDメモリカードを挿入。本体液晶パネル下にあるボタンを押すと即座にメモリカードからデータを吸い上げ、本体に内蔵したHDDへバックアップが行われる。同社測定値によると、転送速度が約10Mバイト/秒タイプの1Gバイト メモリースティックPROに記録した約900Mバイトぶんのファイルを、約5分20秒で転送できる。
試しに、6Mバイト/秒タイプの512MバイトSDメモリカードを用い、適当な300Mバイト分の画像ファイル群のバックアップ作業を行ってみると、1分43秒ほどだった。メモリカードの転送速度性能やファイル数そのもの、単一ファイルの大きさなどにも影響してくることだろう。
モバイルツールのバックアップの次はPCへ転送だ。切り替えスイッチで「PC」モードにして、PCと接続する。デバイスやメディアごとにフォルダが分けられているが、これは「OTG」モード時に自動的に保存されるフォルダとなる。
ちなみにバッテリーはフル充電時で10Mバイト/秒タイプの1Gバイトメモリカードの内容を10回バックアップできるくらい、連続使用で約65分ほど使用可となっている。
10回というとそれほどバッテリーが持つわけではない印象かもしれないが、たとえば日帰りから2泊程度までの外出・旅行時において、メモリカードがいっぱいになってきたのでバックアップしようといった用途であればそれほど心配なさそうだといえる。もちろんバッテリー充電用のACアダプタが付属するため、国内旅行時などにはこれを持参すればことさら心配も少ない。
一般PCユーザーの観点で考えると、基本的にはFAT32でフォーマットされた2.5インチHDDが必要という点がやや面倒な部分かもしれない(NTFSではなくFAT32であれば、Macにもマウント可能というメリットはあるが)。しかし、これを欲しいと思うユーザーであればそれほどハードルは高くないとも思われる
ターゲットとしては、やはりややハードなデジカメユーザーだ。本体にCFスロットが付いていればという編集部内デジタル一眼レフカメラユーザーの声もあったが(USBマスストレージクラス対応のCFリーダーを併用することによりCF取り扱いも不可能ではない)、現在発売されている製品としてやや高価な傾向もあるバッテリー内蔵モバイルストレージが数千円台から導入できるとならば飛びつきたくなる大きなメリットが存在するといえそうだ。
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