アイ・オー、CGMS-Aデジタル放送録画&編集・DVD記録対応キャプチャーカードTVキャプチャーカード

» 2005年09月07日 00時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 アイ・オー・データ機器は9月7日、外部チューナーとの接続によりCGMS-Aが施されたデジタル放送の録画、およびその番組の編集・DVDへの保存を可能とするPCI内蔵TVキャプチャーカード「GV-MVP/RX3」、iLink経由にてデジタル放送の録画・簡易編集機能を備えた250GバイトHDDレコーダー「Rec-POT F(HVR-HD250F)」(詳細はこちら)など3機種を発表、GV-MVP/RX3は9月中旬発売で価格は1万4600円(税別)、Rec-POT Fは9月下旬発売で価格はオープン、予想実売価格は5万9800円。

photo GV-MVP/RX3

 GV-MVP/RX3は、同社「GV-MVP/RX2」の後継モデルとして、MPEGエンコードチップが日本電気「μPD61153B」(RX2はConnexant「CX23416」を採用)に変更され、デジタル放送録画およびコピーワンスデジタル放送の編集・DVDメディアへの保存機能が加わったモデルとなる。

 搭載チップとなる「μPD61153B」は、従来複数LSI構成であった3次元Y/C分離/MPEGデコード/エンコード/TBC/3次元ノイズリダクションなどの各機能を1チップに統合したもので、同社によるとμPD61153のマイナーアップ版であるとのこと。A/D変換・D/A変換を繰り返すことで発生していた画質劣化が抑えられ、フルデジタルで処理できることによる高画質さが特徴となる。なおμPD61153は、カノープス「MTVX2005」、バッファロー「PC-MV52DX/PCI」など、他社製品でも採用するメーカーも多い。

photo 入力からMPEG生成ないしプレビュー表示までの信号の流れ。外部端子からの入力は、10ビットA/D変換回路を通る
photo 搭載されるMPEGエンコードチップ「μPD61153B」(左)、搭載インタフェースは、上からTVアンテナ、S-Video、RCA映像、RCA音声左右(右)
photo 上が今回のGV-MVP/RX3、下が前モデルGV-MVP/RX2の映像(同一PCに複数枚搭載し、同時にプレビュー出力。双方画面設定はデフォルト設定のまま)。双方を比べると、μPD61153Bを搭載するGV-MVP/RX3の映像の方が階調が豊かで色濃く、肌の色もそれらしく出ているように見える

 また、地上デジタルチューナーなどを外部入力端子経由で接続することで、コピーガード方式「CGMS-A(Copy Generation Management System Analog)」が施された放送の録画に対応する。録画MPEG-2データは暗号化され、録画したPCのみで取り扱い(視聴・編集・DVD記録)が行える。

 「録画したPC」の適用範囲として、Windows XPにおけるアクティベーション時のような仕組みで、録画後追加・換装された機器を何らかの方法でデータ化し、その相違を比べることで識別するようだ。たとえばCPU換装はNG、HDD増設くらいならOKなど(ただし、その詳細は社外秘としていた)。同じくCGMS-A録画に対応するカノープス「MTVX2004HF」「同2005」は、録画したキャプチャーカードそのものと録画ソフトをがインストールされた環境でのみ取り扱いを可としているが、GV-MVP/RX3では若干異なる取り組み方法でコピーワンス放送のコピー保護対策が行われる。

 なお、暗号化されたデータの拡張子は「mpg」で、ノーマルのMPEGデータと変わらない。暗号化されたデジタル放送録画データか否かは、付属するTV録画・視聴アプリケーション「mAgicTV 5(今回のバージョンは5.10。ソフト上でアスペクト比16:9表示に切り替えられる機能が備わった)」内に表示されるアイコンにて判別できる。

photo 暗号化されたデジタル放送録画データか否かは、このアイコンにより判別可能。ちなみにその隣、鍵のようなアイコンはその録画データを誤って消去しないようにするロック設定がなされているかどうか、真ん中のアイコンはEPG情報が入った(連携されている)録画データかどうかを判別できるアイコンとなる

 録画したデジタル放送の編集は、同じく付属ソフトのサイバーリンク「PowerProducer 3 CPRM for I-O DATA」により行う。mAgicTVと連携し、同ソフト上より起動できる仕組みだ。同機で録画した暗号化されたデジタル放送録画データの取り扱いを可能とし、かつDVD作成が行える(DVD書き込みは、別途CPRM対応メディアとCPRM対応DVDドライブが必要)。

 GV-MVP/RX3は、同製品含む同製TVキャプチャーカード製品と組み合わせることで複数枚差しも可能、最大6チャンネル同時録画に対応する。

photo GV-MVP/RX3どうしのほか、同社ほか製品との混合した複数枚搭載も可能。対応製品はGV-MPV-RX2、GV-MPV-RX2W、GV-MPV-RX2E、GV-MPV-GX、GV-MPV-GXW、GV-MPV-RZ2、GV-MPV-RX(-RXの場合は、RX2E/RX2W/RX2と一緒に使用する必要がある)

 なお、同じくバンドルされるユーリードシステムズ「VideoToolBox 2 SE for Memory Stick」ないし同ソフトとの連携により、PSPにて再生可能なメモリースティックビデオ(MPEG-4SP)形式への変換も行えるようになった。

 GV-MVP/RX3の主な仕様は以下の通り。

製品名GV-MVP/RX3
MPEGエンコーダ日本電気「μPD61153」
主な機能CGMS-A/コピーワンス信号入り放送録画、3次元YC分離/ゴーストリダクション併用可能、ソニー製チューナー採用
キャプチャー可能な画素数720×480、352×480、352×240ピクセル
最大ビットレートMPEG-2 15Mbps(0.1Mbps単位で設定可能)
オーディオMPEG-1 Audio Layer2(128k/192k/224k/256k/320k/385k)、リニアPCM(1536kbps) サンプリングレート48kHz
搭載インタフェースTV RF同軸75Ω入力×1、S-Video×1、RCA映像×1、RCA音声左右×各1
付属ソフトmAgicTV 5、サイバーリンク「PowerProducer 3 CPRM for I-O DATA」「PowerDirector Express」、ユーリードシステムズ「Ulead VideoToolBox 2 SE for Memory Stick」、「reserMail」
本体サイズ(長さ×幅)140×106.68ミリ
対応OSWindows XP/2000 Professional
発売2005年9月中旬
価格1万4600円(税別)

ハードウェアエンコーダ搭載の単体キャプチャーユニット

 もう1点は、ハードウェアMPEG-2エンコーダ搭載のUSB外付けキャプチャーユニット「GV-MDVD2」。TVチューナーを搭載しない、アナログビデオテープから簡単にDVDを作成したいといったユーザー向けの単体キャプチャー製品となる。価格は1万2500円(税別)。

photo GV-MDVD2

 搭載MPEGエンコーダはConnexant「CX23416」。Full D1(720×480ピクセル)/最大ビットレート7.2Mbps(VBR)にてキャプチャーが可能で、USBバスパワー(最大500mA)にて駆動する。ソース視聴/再生/録画(キャプチャー)/編集/DVD作成が行える統合ソフト「WinDVD Creator2 SpecialEdition」がバンドルされ、取りためたアナログビデオを簡単操作でデジタル化・DVD化できるとしている。同ソフトは、外部映像機器との自動シンクロ録画開始機能、DVD±VRダイレクトレコーディング機能も備わる。

 搭載インタフェースはS-Video入力×1、RCA映像入力×1、RCA音声左右入力×各1。本体サイズは26(幅)×114(奥行き)×79(高さ)ミリ、重量170グラム。対応OSはWindows 2000 Professional/XP。

簡易編集機能も備えたデジタル録画対応「Rec-POT F」

photo 250GバイトHDDを搭載するデジタル放送対応HDDレコーダー「Rec-POT F」。iLink端子×2を搭載し、デイジーチェーン接続により複数台の導入も可能 →(詳細はこちら)

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