ヨドバシカメラのアキバデビューが目前に迫っている。JR秋葉原駅電気街口の反対側にできる「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」は、系列店の中でも最大規模の売り場面積を誇る巨大ショッピングモールになるという。
店舗は9フロア構成で、PC本体や周辺機器、AV家電に白物家電などを揃える。「1フロアだけでラオックス・ザ・コンピュータ館の総売り場面積を凌ぐほど」(ラオックス)と言わしめるほど広く、取り扱い品数はアキバの従来店舗をはるかに凌ぐのは確実である。
さてそのような既存ショップでは、駅の反対側に立つ巨大店舗の登場に不安を感じる店舗も少なくない。先日26日にリニューアルオープンしたラオックス・ザ・コンピュータ館店員氏は店舗改装の理由とそのテーマとして「ヨドバシカメラを意識したのは確か」と明言しており、「当ショップの来店を含め、電気街離れが起きないように独自の魅力を打ち出していきたい」と話す。
また、直接の競合が起きないと思われる近辺のPCパーツショップでも「中央通り側への人の流れが数パーセント減るだけでも、小さなショップには大打撃になります」(PCパーツショップ・CUSTOM)との声が上がっている。
では、アキバに訪れる個人ユーザーはどのように感じているのだろうか。実際にアキバユーザーに話を聞いてみた。
アンケートはJR秋葉原駅から銀座線末広町駅まで、おもに中央通り近辺で実施。歩行者を中心に一般アキバユーザー100人にコメントを求めたもの。男女比率は76:24。回答者年齢は20代がおよそ4割で、30代が3割、10代が1割強、40代以上が1割強。
最初に聞いた「ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaが開店したら足を運ぶか」の問いには、65%が「YES」と返答した。明確な目的がある人ももちろんいるが、「とりあえずは見ておきたい」(30代・男性)や「何かしらキャンペーンをやると思うから」(20代・女性)といった意見も多く聞かれた。
対して「NO」と答えた人には、「家の近所にも、ほかの場所にもあるし、アキバまで来てまでわざわざ行こうとは思わない」(20代・男性)という声が多かった。それは、“アキバ”という街に特別な意識を持っているユーザーが少なくはないことを物語っているといえる。とくに、アキバに訪れる頻度が「月1回」以下の人のうちその8割は、新店舗にほとんど興味を示していなかった傾向があった。
ちなみに「ヨドバシカメラのポイントカードを持っているか」の問いでは、約5割が「持っている」と答えたが、上記の回答との相関関係はほとんどなかった。アキバユーザーの数割はヨドバシカメラそのものではなく、「“アキバ”のヨドバシはさして興味がない」と考えているようだ。
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