今週金曜、ヨドバシカメラによる国内最大級の家電量販店「ヨドバシカメラ マルチメディア Akiba」が秋葉原にオープンした(関連記事参照)。
午前9時の開店からさして大きな混乱はなかったものの、昼頃に一時的な入場規制がかけられるなど、平日とは思えない人だかりが長時間続いた。
ケータイやiPod(Mac)売り場、デジカメ売り場といった、特価注目商品コーナーの盛況さを横目に、ITmediaアキバ取材班の目的はPCパーツショップコーナー。同売り場は2階の南側に設けられていた。
新宿などの他の場所の同店舗と同じく、CPUやHDD、グラフィックスカードといった定番PCパーツから、汎用ファンにインチねじなどの小物類まで、オールラウンドで揃えられていた印象だ。ほとんどのジャンルの棚にショーケースが用意され、増設カードやマザー類なら基板レイアウトやインタフェースの種類などをじっくり確認できる。
いっぽうの“反対側”に目を向けると、大にぎわいの同店に対抗すべく、いわゆるライバル店も対抗キャンペーンを予定するところが多いようだ。
サトームセン全店では、週末にかけて新製品の「オークション祭」なる催しを行う予定だ。「こちらも積極的にアピールしていかないと、という危機感は正直あります」(同ショップ)と胸中を語る。
またPCパーツショップでも、T-ZONE.PC DIY SHOPとクレバリーがヨドバシ“便乗”の週末特別キャンペーンを計画している。「マルチメディア Akibaの2階パーツコーナーだけで十分驚異です。駅からヨドバシに向かった人のうち数割は、目当ての商品を見つけてそのまま帰ってしまうかもしれませんよね。安さと特定カテゴリの品揃え、ディープさをアピールしていきますよ」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことだ。
対してPCパーツショップに限っていえば、(少なくとも口先では)ヨドバシをいっさい気にしていないショップも多い。
パソコンショップ・アークは「ユーザー層が被らないので心配していません。ヨドバシさんは広く浅くビギナー層を中心に取り込んでいますが、ウチを利用される人はコアでディープなユーザーさんが多いですから。パーツそのものの知識は負けません」と頼もしい答え。
某ショップも「同じPCパーツショップでも大規模な店舗ほど、多くの人のニーズをまかなうべくビギナー層が増える傾向にあると思います。直接の打撃を受けるとしたら中規模以上のショップではないでしょうか。え、うち? 見ての通り、こんなのとかあんなのとか、ヨドバシさんにゃおそらく置いていないニッチで、しょうもないもんばかり揃ってますから。あっはっは、だめですねぇうち」と高笑い。このノリは……おそらくヨドバシにはないと思う。
ヨドバシの開店でアキバの電気街が受ける影響はまだ未知数だが、少なくともこの3連休は多くのショップでお得なキャンペーンが開かれるようなので、週末はヨドバシのついで(?)に“反対側”のPCパーツショップにも出向くといいことがありそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.