「Epson Color」できれいな“おうちプリント”を実現――エプソン発表会

» 2005年09月22日 19時09分 公開
[今藤弘一,ITmedia]

 2004年度には前年割れを記録し、ほぼ飽和状態とも思われていたインクジェットプリンタ市場だが、2005年の予想では対前年比111.6%の伸びを見せているといる。この牽引力はなんと言っても「インクジェット複合機」。同社が2004年下期より進めた複合機シフトにより買い換え需要を喚起したことが原因であると同社は分析する。現在は全体の4割ほどを、複合機が占めるという。

画像 インクジェット市場の推移
画像 複合機の占める割合の推移

 2005年のインクジェット市場でエプソンがアピールするポイントは、「おうちプリント」の推進だ。セイコーエプソンの三村孝雄氏は、「せっかくデジカメで撮影しながら、店頭でプリントを依頼するユーザーの意識としては、店頭の方が写真がきれいにプリントされ、保存性もよいと思われている」と話す。

画像 セイコーエプソン 情報画像事業本部 IJP事業部 三村孝雄事業部長。「プリンタでほかにやることはないと思っているかもしれないが、まだまだやることはあります」(三村氏)

 そこで今年登場する戦略が“Epson Color”。「『フジカラー』や『コダカラー』といったブランド名と同様に『Epson Color』を認識してもらうのがポイント」と三村氏。新しい画像処理技術とプリントメディア、インクの“三位一体”となった“画質のエプソン”を強調していくという。

画像 中央に表示されているのが「Epson Color」のロゴ。対象商品にはこのロゴが配置される

 Epson Colorを実現するためのコア技術が、今回新たに採用された「オートフォトファイン!EX」だ。オートフォトファイン!EXでは、人物の「顔」を自動的に認識し、好ましい肌色に補正するほか、色かぶり補正、逆光などの明度補正を自動で可能にしている。一般画像における人物検出能力は80%を越えるそうだ。

 「お店プリントでオペレーターが手作業で行っている補正を、エプソンのプリンタならば自動的に“好ましい画像”へと変換することができる」(三村氏)

画像 オートフォトファイン!EXにより、色かぶりや露出不足といったばらつきに加えて、各デジカメ固有のばらつきも修正する。ちなみに「犬や猿は人と認識しませんが、人形は“人”となります」(三村氏)

 今回、Epson Colorの対象となるのは、複合機では「PM-A950」、「PM-A890」の2機種。フォトプリンタは「PM-D800」およびコンパクト機の「E-150」、単機能機では「PM-G730」の5機種。これに加えて、2004年の商品よりもユーザビリティを向上させ、マニュアルを見なくても操作できるようにしたという。

 「今回の商品により、7機種にカラー液晶モニタを搭載したほか、液晶サイズも昨年のモデルよりも大きくした。また、PM-A890については赤外線アダプタを標準で搭載し、携帯電話からのプリントアウトだけでなく、文字入力にも対応する」と三村氏。このように、ただの機能向上だけでなく、使い勝手の提案にまで踏み込んでいるのが、今年のエプソンプリンタの特徴だ。

 エプソン販売の真道昌良社長は「従来の2年間は複合機時代到来のメッセージを訴求してきたが、今後の目標は、充実した機能よりも、やりたいことが実現できる、家族の写真生活を楽しく豊かにする複合機、について訴えていきたい。年末商戦のシェアは52%以上を目標としたい」と語った。

画像 エプソン販売代表取締役社長 真道昌良氏

 なお、新機種の価格はすべてオープンプライス。発売日は10月6日を予定している。店頭予想価格は以下の通り。

種類機種店頭予想価格発売日
インクジェット複合機PM-A9504万円台後半10月6日
PM-A8903万円台中盤
PM-A7502万円台中盤
PX-A6501万円台後半
フォトダイレクト機PM-D8002万円台後半
PM-D6001万円台後半
E-1501万円台後半
シングルファンクションPM-G7301万円台後半
PX-V6301万円台後半

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