ポイントは、アタッチメントとヒートシンクの工夫だ。ヘッド部分は4方向どちらの向きにも装着ができる(ただしSocket A/370は2方向のみ)。そのため電源ユニットの位置やエアフローを計算し、ユーザー好みでもっとも合理的なエアフローが生じるよう工夫できるという。
設置角度の違いによりどのくらい差が出るのだろうか。今回は冷却性能をチェックするにあたり、CPU温度のほか、CPUソケット周りにあるコンデンサ部分の温度も計測してみた。マシンの構成は以下の通り。室内温度は25度、測定前のCPU温度は30度、コンデンサaが31.5度、コンデンサbが30.3度のアイドリング状態より、「Super π」3355万桁計算直後の温度を比較した。
なお設置角度は、空気の流れが水平/手前→奥方向になる“Aパターン”と、垂直/下→上に流れる“Bパターン”とで試している。
結果と構成は以下の通り。
CPU | Athlon 64 3000+ |
マザー | ギガバイト「K8NS Ultra-939」(nForce3 Ultra) |
電源 | サイズ「鎌力 Rev.B KMRK-380B」 |
HDD | マックストア「DiamondMax Plus9 6Y160P0」(160Gバイト) |
メモリ | PC3200 256Mバイト×4 |
グラフィックスカード | 玄人志向「RD955-A128C」(RADEON 9550搭載/ファンレス) |
CPU(アイドリング時との差) | コンデンサa部分(アイドリング時との差) | コンデンサb部分(アイドリング時との差) | |
アイドリング時 | 30.0度 | 31.5度 | 30.3度 |
リテール環境 | 36.7度(+6.7度) | 39.3度(+7.8度) | 39.8度(+9.5度) |
Aパターン | 33.8度(+3.8度) | 37.6度(+6.1度) | 46.6度(+16.3度) |
Bパターン | 33.6度(+3.6度) | 42.4度(+10.9度) | 37.4度(+7.1度) |
どちらの方向に向けて設置しても、CPU温度は+4度以下に抑えられており、リテールクーラーより効果があった。設置向きによる違いで大きく変わったのがコンデンサ部の温度だ。どちらのパターンでも風が直接当たる位置のコンデンサは37度台に抑えられたが、直接風が当たらない側は40度を超した。
ショップでの評判通り、刀は3000円程度という手頃な価格ながら十分な冷却性能を持つといえるだろう。その設置位置を変えることにより、自分自身でCPU以外に重点的に冷却したいパーツへ、あるいはエアフローを考慮した工夫も行える汎用性の高さがポイントとなるといえる。
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