「レノボのThinkPad」はどこが変わった?──レノボ「ThinkPad Z60t」(2/5 ページ)

» 2005年10月18日 10時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「ビジネスのために」搭載したワイドサイズディスプレイ

 カーソルキーについた「マルチメディアコントロール機能」とともに、私は「ThinkPadもついにホームユースを公式に意識したか」と思ったのだが、レノボの開発スタッフからいろいろを意見を聞いてみると、それはどうも早合点だったようで、彼らはあくまでも「ビジネスユース」の使い勝手を向上させるためのアップデートである、と主張する。たしかに、ワイドサイズの液晶ディスプレイはDVD-Videoで映画を見るためだけのものではなく、(たとえ横方向だけであっても)解像度が増えたおかげで、ホームユース、ビジネスユース関係なく使い勝手を向上させてくれる。

 ワイドサイズを生かしてキーボード脇に搭載されたスピーカーについても「テレビ会議の利便性を向上させる」ために実装されたと説明している。事実、ほかのAVプレーヤー的ノートPCであたりまえとなっている「音質向上機能」や「音質向上スピーカー」というものはZ60シリーズには実装されていない。スピーカーも音質を考慮したものではなく、通常のノートPC用スピーカーが取り付けられているに過ぎない(筐体の底面でなくユーザーに向いている面に設置されたおかげで音が大きく明瞭になったが)。

キーボードの配列はほとんど変わらないが、カーソルキーに組み込まれた「マルチメディアコントロール」機能とついに搭載されたWindowsキーが目に付く。「ユーザーからの要望が大きかった」というWindowsキーはこれから登場するThinkPadにも原則採用される予定

 ThinkPadの真価は外側より内側にある、と先に述べたが、Z60t(そしてZ60mも)は、その内側にも新しい手法を取り入れている。従来のThinkPadでは左右の筐体側面に達する一枚の基板と筐体パネルという「殻と芯」で強度を維持する方法を取ってきたが、Z60シリーズでは筐体内部に組み込んだアルミ製フレーム「ThinkPad Roll Cage」という「骨組み」で筐体強度を持たせる手法を採用している。

発表会で展示されたThinkPad Zシリーズの骨組み「ThinkPad Roll Cage」

 以前、シャープのノートPC「PC-MT1」で使われた「ボックスラーメン構造」(建築の用語で梁、骨組みで強度を持たせる手法)が話題になったことがあるが、今回のThinkPad Roll Cageもそれと同じ発想である。レノボの資料ではThinkPad Roll Cageを使わない同サイズノートPCと比べて「マザーボードへのひずみ負荷を約30%軽減、筐体剛性20〜40%アップ」とあるが、今回、私が試用した評価機のようにチタンコートの天板や、新しいデザインで薄く見えるように錯覚させているが実はけっこう厚い筐体など、もともと頑丈そうであることもあってか、評価作業中にカバンにいれて持ち歩いたり外で使ったりするときに、強度で不安を感じることは「まったくなかった」といっていい。

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