米Intelは10月17日、ノートPCのバッテリー駆動時間を改善しつつ、システムの起動あるいはプログラムへのアクセスの時間を大幅に短縮する新技術を発表した。
同社の新しいキャッシュ技術「Robson」は台北のIntel Developer Forum(IDF)でのライブデモで、CentrinoベースのノートPCをほぼ瞬時に起動させることを保証した。同じハードを使っているがRobsonを搭載していないノートPCは起動に数秒かかった。
さらにRobson搭載ノートPCは、Adobe Readerを0.4秒で開いた。これに対しもう一方の(Robsonなし)ノートPCは5.4秒かかった。Quickenを開いたときは、RobsonありのノートPCでは2.9秒、なしの場合は8秒かかった。
Robsonの秘密はNAND型フラッシュメモリにある。HDDから起動する代わりに、Robson搭載ノートPCは標準的なNAND型フラッシュメモリからデータを読み込む。これにより時間とバッテリーを節約できるとIntelは説明する。
「アプリケーションにアクセスするときにHDDを回す必要がないため、電力の節約になる」とIntelのモバイルプラットフォーム部門副社長兼ジェネラルマネジャー、ムーリー・エデン氏。
IntelはRobsonの仕組みについて詳しく説明することは控えたが、エデン氏は、この技術はコンピュータメーカーに提供できるほど成熟したと語った。詳しい情報は後で明らかにする、とも。
Robsonは業界標準の64M〜4GバイトNAND型フラッシュメモリとともに使うよう作られているとエデン氏。デモで使われたノートPCには128Mバイトのフラッシュメモリが搭載されていたという。
同氏は、Robsonがいつユーザーに広範に提供されるのかは示さず、市場投入の時期についてはPCメーカーが大きな要因になると話すにとどめた。
「これをどう実装するかを決めるのはOEMだ。わたしの予想では、まずは企業ユーザーがこの技術を最初に目にすることになりそうだ」(同氏)
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