Appleの乗り換えは影響せず――IBM、最新PowerPCを語る(1/2 ページ)

» 2005年10月27日 12時10分 公開
[Daniel Drew Turner,eWEEK]
eWEEK

 Apple ComputerがPowerPCからIntelプロセッサに乗り換えても、IBMのPowerPCへのマーケティングのフォーカスは変わらないだろう。

 Appleの計画にかかわらず、引き続き「サーバおよび組み込み」をPowerPCシリーズ(最新版のPowerPC 970MPを含む)のターゲットにするとIBMの殊勲エンジニアでトップ半導体設計者の1人、ノーマン・ローラー氏は10月25日、In-Stat Fall Processor Forumでのプレゼンテーションで語った。

 同氏は、新しいマルチコアプロセッサPowerPC 970MPの詳細を披露した。同プロセッサはAppleの新しいPower Macに採用されている。同プロセッサは1.2G〜2.5GHzで、「省電力、高性能」だと同氏は語った。

 シングルコアPOWER4プロセッサを基盤とする970MPは、2個のコアを備え、コアはそれぞれ1個のCPU、AltiVec SIMDユニット、1MバイトのL2キャッシュを持つと同氏は説明した。同氏によれば、同プロセッサ自体は64ビットだが、32ビット命令にも対応する。つまりユーザーは既存のPowerPCベースのシステムから乗り換えるときに、ソフトをアップグレードする必要がないということだ。

 旧バージョンのPowerPC 970FXと比較して、970MPはキャッシュが2倍になり、クロックチューニングと電圧スケーリングの幅が拡大し、また1コアあるいは2コアで動作させることができる。

 ローラー氏によると、2.5GHz版970MPは初期テストで、SPECintテストで1438点、SPECfpテストで2076点を記録したという。「省電力」の面に関して、両方のコアを2.5GHzで動作させたときの消費電力は最高100ワットだと同氏は付け加えた。

 同氏はまた、970MPの2個のコアをそれぞれ起動状態とスリープ状態にできると語った。不要なときは2番目のコアを4分の1のクロック周波数で動作させたり、さらにはオフにしたりできる。

 この機能は消費電力と発熱を50%削減できる。両方のコアをフルに動作させることも、1個を半分のクロックで動かしてもう1個を4分の1のクロックで動作させることも、64分の1の電力しか使わない「deep nap」状態にすることもできる。

コンシューマーが望むものは

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