3DMark05の結果を見てみると、最軽負荷条件と最重負荷条件においてRADEON X1600XTがわずかに上回り、そのほかの条件でGeForce 6800 GSがリードしている。しかし、その差はわずかであって、両者のパフォーマンスは同程度とみることができる。だが、同じFuturemark系のテストながら3DMark03では、GeForce 6800 GSが完全にリードしている。
この傾向は、Aquamark3、DOOM3でも顕著。とくにDOOM 3の軽負荷条件でRADEON X1600XTのほぼ2倍のパフォーマンスを発揮しているのは注目に値する。Farcryのベンチマークでも、GeForce 6800GSの優位は変わらない。このベンチマークでは最も重い負荷条件で両者の違いが著しくなっている。
RADEON X1600XTをレビューしたときに、「ミドルレンジにおいてはRADEON X1600XTは唯一の選択肢となる可能性が高い」と評価してしまったのだが、わずか1カ月、しかも旧世代GPUのオーバークロックバージョンとも言うべきGeForce 6800 GSという伏兵の出現で、RADEON X1600XTは出荷前から「唯一の選択」とはならなくなってしまった。見通しの甘さに恥じ入るばかりである。
ただ、3DMark05と3DMark03の傾向があまりにも異なることや、DOOM 3の結果がほかのハイエンドGPUにおける比較と著しく異なること、などなど、どうにも気になるところもいくつかある(といっても負け惜しみにしか聞こえないか)。
とにかく、今回の結果を見る限り、ミドルレンジのGPU市場においてGeForce 6800 GSは実に有力な選択肢と認識せざるをえない。しかも、なかなか出荷されないRADEON X1600XTとは異なり、GeForce 6800 GSは意外と早く「数がそろう」とも聞いている。店頭にあるのかないのか、ユーザーが買えるのか買えないのか、という意味では現時点においてGeForce 6800 GS搭載グラフィックスカードが「唯一の選択肢」といえる。
なお、最後に、GeForce 6800 GSによるNVIDIA SLI構成のパフォーマンスを見てみたい。このカードを2枚そろえた場合、その価格は6万円弱〜7万円強あたりになるものと思われる。そこで、ミドルレンジPCにGeForce 6800 GSを2枚差しした場合と、現在6万円強の実売価格で入手できるGeForce 7800 GTXの1枚差した場合とでパフォーマンスを比較してみた。
「お父さん買い」では由々しき問題となる「初期コスト」を考えると、あまり現実的な考察ではない(お父さんが、それだけの予算を確保できる可能性はかぎりなく低い)が、とりあえず参考までに見てほしい。
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