ハイエンドに匹敵する機能と性能を備えたミドルクラスの複合機――PIXUS MP800(3/4 ページ)

» 2005年11月17日 11時30分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

写真印刷はメリハリ系の発色

 写真印刷の画質は、4色印刷ながら、6色印刷のMP950に匹敵する。精細さや粒状感のなさは、目視で判別するのは不可能に近い。

 発色はコントラストと彩度を高めた記憶色系&メリハリ系で、あっさり明るめだったMP950とは異なる。どちらがよいかは好みの問題だが、一見して見栄えがよいのはMP800だろう。

 一方、階調表現はMP950のほうが丁寧だ。もっとも分かりやすかったのは人物の髪で、MP800はコントラストが高いので微妙につぶれる部分があった。MP950は暗部のトーンを若干持ち上げることもあってか、髪の毛のディテールをより細かく描写できている。この辺りは、中間調からハイライトで効果を発揮する、低濃度フォトインクの有無による差だろう。

 スキャン画質は特に問題ないが、ネガフィルムで明度が高くなり、シャドウが浮き気味になるようだ。スキャナドライバの「ScanGear MP」を拡張モードにして、トーンカーブ調整のプリセット設定「露出アンダーにする」を適用すると良好な結果となる。場合によっては、褪色補正を「弱」で適用してみるのも効果的だ。もちろん、スキャン後のフォトレタッチソフトでも簡単に補正できる。

画像 PCから最高画質の「品位1」で出力したもの。MP950と比べて、全体的に色ノリがいい。精細さはMP950と同等で、ルーペで見ても判断に迷うくらいだ
画像 肌色も若干「濃いめ」に出るが、雰囲気は自然。女性のポートレートだと、少し赤みを帯びた美肌系というような印象だ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー