一体型顔負けの装備を誇るAVノートPC──NEC「LaVie T LT900/ED」(3/3 ページ)

» 2005年11月28日 15時55分 公開
[八木慎伍,ITmedia]
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優れたインスタント機能により、使うシーンを選ばなくなった

 Lavie Tは、AV機能を操るアプリケーションの使い勝手も充実している。とくにインスタント機能のユーザーインタフェースにWindows上のAVコントロールソフト「MediaGarage」と同一のデザインを採用することで、豊富な機能を違和感のなく使えるようになった。

 これまでのインスタント機能は、単純なテレビ視聴や、CD/DVD再生しか用意していなかったが、LaVie Tのインスタント機能は、テレビ録画やMP3再生機能だけでなく、ADAMS-EPGの番組表から予約録画設定もできる。ここまで機能が増えると統合AVソフト並みのユーザーインタフェースが必要なのだが、これをWindows上のMediaGarageと同一にすることで、とても使いやすくなっている。

 MediaGarageとまったく同じ構成のインスタント機能のメニュー画面では、左の「Windowsを起動」ボタンがなければ、どちらを操作しているか気がつかないほどだ。ただ「インスタント」と言っても、その起動はそれほど速くない。電源オフからテレビ表示まで22秒、CD/DVD再生まで43秒と、少々遅いが、これだけの機能を用意するのだから、やむ得ないところか。

 もちろん操作感だけでなく、録画した映像や録画予約の情報も、インスタント機能と、Windows上の10フィーとUIソフトMediaGarage、2フィーとUIソフトのSmartVisionの間で共有されており、どの環境で予約、録画しても同じように扱える。インスタントとWindows共にここまで機能が共有できると、どちらで使っても大丈夫という安心感がある。より積極的にインスタント機能を利用できるだろう。

リモコンの電源ボタンを押しても、インスタント機能がオンになり、Windowsは起動しない。このことからも、インスタント機能に対する自信が見えてくる。リモコンからは基本的にMediaGarageと同一の挙動を示すため、操作に迷うことはない。唯一の例外は「ネット映像」ボタン。Biglobeストリーム専用のビューワを利用できるのはWindows上だけ。このボタンだけは電源オフでWindowsが起動する

複数HDD搭載のメリットをもっと引き出して欲しい

 優れた操作性を持つLaVie Tだが、評価していて残念だったのは、折角のダブルHDDが完全に生かされていないこと。主にテレビ録画ソフトの対応が原因であるが、SmartVisionの設定で録画先を2台めのHDD(ドライブレターはEになっている)ドライブに設定できるのはいいが、この設定をしてしまうと、標準設定のCドライブで録画した番組も録画済みリストから消えてしまうのだ。

 この現象についてNECからは「購入時の保存先から設定を“変更”するという考え方から、前の状態は保持されない仕様にしています。今回のように、既に録画済みファイルが存在する場合は、CドライブのフォルダをSmartVisionで「フォルダ追加」すれば、リストに表示されます」という回答がきている。保存先のドライブを変更するとリストが消えてしまう理由は、ちょっと同意しかねるが、とにかく、リストに再表示する手段は用意されているようだ。

 さらにインスタント機能においては、Cドライブにしか対応していない。2台めのHDDには録画できないどころか、SmartVisionで録画保存先を2台めのHDDにしても選択/再生できないのだ。録画した番組を共有できるのが魅力のはずのインスタント機能なのに、これではいただけない。Lavie Tの充実したハードウエアを生かすためにも、早急なアップデートを望みたい。

「一体型PCは大きすぎて」というユーザーは要注目

 LavieTはそのサイズと重さからも、移動が前提となるノートPCとしてではなく、コンパクトなAV一体型PCの購入を探しているユーザーが対象となるだろ。15インチクラスの液晶ディスプレイを搭載したノートPCとして見てしまうと、少々割高感があるかもしれないが、そのAV機能を見ると納得できるところだ。

 そうなると、ライバルは一体型のAV志向PCとなる。最近の一体型の液晶ディスプレイは20インチ超も多く、設置場所が制限されるものも多い。「一体型だと設置場所が厳しい」という人は、AV機能に遜色ないLaVie Tを購入対象に加えてみるのもいかがだろうか。

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