操作性と印刷品質に優れたお手ごろ価格の複合機――PM-A750(1/4 ページ)

» 2005年12月02日 16時58分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

 現在、複合機は多機能な上位モデルが好調に売れていて、コンパクトモデルがそれに続く。ミドルからエントリーは苦戦エリアなので、限られたコストの中で実装された機能と性能のバランスを見極めることが大切だ。(単機能プリンタの売れ筋は完全にミドルクラス以下だが、複合機になるとそれなりに高価な上位モデルが売れている。つくづく、日本人は「多機能」が好きなのだなと思う。)

 そこでEPSONの「PM-A750」だが、機能よりも印刷品質を重視したバランスだ。スタンドアロン機能は最小限で、カラー液晶モニタも1.5インチと小型。さらに、スタンドアロンでもPC接続でも、CD/DVDレーベル印刷が省かれている。この機能が製品選択の前提になる人も多いと思うので、特に注意したい部分だ。

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 また、ダイレクト印刷時の自動画質補正機能が「オートフォトファイン!EX」ではなく、従来からの「オートフォトファイン」だ。このため、今年の新モデルで創設されたブランドの「Epson Color」には対応していない。PCからの印刷では、プリンタドライバの機能として「オートフォトファイン!EX」が利用できる(デフォルト設定)。

 インクは染料つよインクのPM-Gインクで、CMYBkの4色印刷だ。メモリカードスロットにはほとんどのメディアを直接セットでき、miniSDカードやメモリースティックDuoといった小型メディアのみ、アダプタを使う。デジカメ直結規格のPictBridge、およびEPSON独自のUSB-DIRECT-PRINTにも対応している。ただし、PM-A950やPM-A890のように、USB接続の記録型CD/DVDドライブをつないで、メモリカードのデータを直接バックアップすることはできない。

 イメージセンサはCISだが、フィルムスキャンに対応している。対応フィルムと最大同時スキャン数は、35ミリネガ/ポジの6コマスリーブ×1列、マウント×4コマだ。付属のフィルムホルダは1枚で、原稿カバーの内部に収納できる。CCD採用モデルの付属フィルムホルダとは異なり、35ミリスリーブをセットするところに透明なアクリル板が設けられている。アクリル板の役割は、フィルムを押さえて平らにすることだ。CISは被写界深度が浅いため、読み取り部分が原稿台から数ミリほど浮いただけでも、スキャン画像がボケてしまう。アクリル板によって、カールしたフィルムもほぼ水平になり、被写界深度が浅いというCISの弱点をカバーしている。

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