CESにあわせて正式に発表されたのは、すでにIDFをはじめとする技術セミナーイベントでも紹介されてきたモバイル向け次世代プラットフォームの「Napa」とモバイル向け次世代CPU「Yonah」、Yonahに対応するチップセットの「モバイルIntel 945 Expressチップセットファミリー」。
Napa、Yonahの名称はそれぞれ開発コード名ながら広く浸透してきたが、Napaの正式名称は「Centrino Duo」もしくは「Centrino」、同じくYonahの正式名称は「Intel Core Duo」もしくは「Intel Core Solo」であることもあわせて発表された。
Napaこと「Centrino Duo」はモバイル向け次世代CPU「Intel Core Duo」とチップセットの「モバイルIntel 945Expressチップセット」、無線LANモジュール「Intel PRO/Wireless 3945ABG」で構成されるプラットフォームブランド。従来のCentrinoと同じ概念であるが、デュアルコアCPUに対応するなど、採用する技術は一新されている。
次世代モバイルCPUのYonahことIntel Core Duoはモバイル向けとしては初めて登場したデュアルコアCPUであるだけでなく、初めからデュアルコアを想定して設計されたCPU。
今回発表されたIntel Core Duoのラインアップは標準電圧版が4製品に低電圧版が2製品。標準電圧版にはシングルコア構成の「Intel Core Solo」も1製品含まれる。ラインアップの主要項目は以下のとおり。なお、今回ラインアップにない「超低電圧版」も後日登場する予定であることをインテルは明らかにしている。
パフォーマンスモード | バッテリーモード | |||||||
プロセッサナンバー | コア構成 | 動作クロック | TDP | 電圧 | 動作クロック | TDP | 電圧 | |
標準電圧版 | Intel Core Duo T2600 | デュアルコア | 2.16GHz | 31ワット | 1.1625〜1.30ボルト | 1GHz | 13.1ワット | 0.95ボルト |
Intel Core Duo T2500 | 2.00GHz | |||||||
Intel Core Duo T2400 | 1.83GHz | |||||||
Intel Core Duo T2300 | 1.66GHz | |||||||
Intel Core Solo T1300 | シングル | 27ワット | ||||||
低電圧版 | Intel Core Duo L2400 | デュアルコア | 15ワット | 1.0〜1.2125ボルト | ||||
Intel Core Duo L2300 | 1.50GHz |
チップセット「モバイルIntel 945 Expressファミリー」はグラフィックスコアを内蔵する「モバイルIntel 945GM Express」(Intel 945GM)とグラフィックスコアを内蔵しない「モバイルIntel 945PM Express」の2製品が発表された。
グラフィックスコア以外のスペックは両者ほぼ同じ。FSBは最高667MHz、メモリもDDR2-667MHzに対応する。Intel 945GMが内蔵するグラフィックスコアはデスクトップ向けデュアルコアCPU対応チップセットが内蔵するのと同じIntel GMA 950。コアクロックは250MHz、駆動電圧は1.05ボルト。そのほかの主要なスペックは以下のとおり。
Intel 945GM | Intel 945 PM | |
対応CPU | Intel Core Duo、Intel Core、Celeron M | |
FSB | 667MHz、533MHz | |
メモリ | DDR2-667MHz | |
最大メモリ容量 | 4Gバイト | |
内蔵グラフィックス | Intel GMA 950 | |
外付けグラフィックス | 対応 | |
電源管理機能 | EIST、C2ループアップ、ディープ C3、ディープスリープ C4/CE | |
IDE | パラレルATA(1ch)、Serial ATA150(2port) | |
USB | 8 | |
ダイサイズ | MCH=37.5×37.5ミリ、ICH=31×31ミリ |
インテルが公開しているパフォーマンスに関するデータではプラットフォーム全体の平均消費電力は従来の「Sonoma」4.2ワットに対して3ワット。PCMark05 Overall Scoreが約1.31倍、3DMark05 Overallが約2.05倍となっている(SonomaプラットフォームはPentium M 780とIntel 915GMの組み合わせ、Centrino Duoプラットフォームはプロセッサナンバ不詳のIntel Core DuoとIntel 945GMの組み合わせ)。
このほか、デュアルコアCPUのメリットが生かせるマルチタスキングのパフォーマンスにおいても、「バックグランドでウイルススキャンが実行されている間に、PowerPointのプレゼンテーションデータをPDFに変換」する処理で、Sonomaプラットフォームに対して処理時間が39%高速化し、かつ、消費電力は42%削減されている。
インテルは従来のCentrinoでも行った普及促進プログラム「エコシステム」を実施し、セキュリティや導入が容易なワイヤレスシステムの促進のためにシスコと、また、Microsoftの次期OS「Windows Vista」の快適な動作を実現するためにマイクロソフトと、それぞれ協力して普及に努めるとしている。
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