TXシリーズのデザインで最も目をひくのが「光るタッチバッド」。単に光るだけでなく、タッチパッドの右上をクリックすると、ボリュームコントロールやメーラー、ブラウザなどのアプリケーションソフトの起動ボタンとして使えるワンタッチボタンとして機能する。
USBマウスを接続すると、切り替えボタンを押すことなく常時ワンタッチボタンとして使えるように設定できるので、据え置きで使う場合は便利だろう。ただし、クリック感のないタッチバッドがボタンとして使いやすいかは疑問。実際に使ってみると上下にスライドさせるオーディオボリュームも使いにくい。本体正面のダイヤル式のボリュームと場所も近いため、両方それぞれのボリュームコントロールの存在意義が分かりにくい。
TXシリーズには本体と同じパールホワイトのUSBマウスが同梱される。据え置き用途が多い汎用A4ノートではうれしい装備。小振りなデザインは、モバイル用途と言うよりも手の小さい女性も意識したものだろう。
Qosmioを含めた、A4系のdynabookに共通して用意されるのが「PC引越ナビ」だ。買い換えユーザーが、それまで使っていたPCのInterner ExplroerやOutlook設定やデータなどを移行できる。
知っているユーザーにとってはそれぞれエクスポートして、ファイルをコピーして……となるが、これらを一気にやってくれるので便利な機能を用意するだけでなく、マイドキュメントやデスクトップなどの特定フォルダのファイルをまとめる機能も持っている。
PC間でファイルをやりとりするメディアはLANやDVD、CD以外に、USBフラッシュメモリなど幅広く対応。それぞれの容量に合わせたファイル分割機能も持っている。
東芝はこの引っ越し機能のために512MバイトのUSBメモリを標準で同梱している。使い込んだPCの引っ越し用途に充分な容量か? と言われると疑問だが、CD-Rすら搭載されていないPCからのデータ移行作業では接続先を選ばないUSBメモリは手軽で便利だろう。
512MバイトのUSBメモリは別途購入しても5000円程度なのだが、やはり付属していると得した気分になる(かな?)。実用的なことを言うと1Gバイト以上が望ましいのだが……。
今回紹介した「TX/770LS」は、AV関連機能以外はQosmioの上位機種と肩を並べるスペックを有する。Pentium M 740の性能は魅力的だが、汎用A4ノートを使う多くのユーザーにとっては、充分すぎるかも知れない。約21万円という実売価格もQosmioとかぶってしまう。性能重視のユーザーでなければ、無理に選ぶ必要なない。
同じTXシリーズでもCeleronM 360Jを採用したTX/760はコストパフォーマンスがいい。チップセットはIntel 910GMLになるが、490カンデラの明るい液晶パネルや、USBメモリの付属品など、ほかの仕様はTX/770LSとほとんど同じで、実売価格は18万円台。コストを優先するかPentium Mのパフォーマンスを優先するか。このあたりが品定めのポイントとなるだろう。
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