Dell、今度こそAMDプロセッサを採用?(2/2 ページ)

» 2006年01月12日 16時07分 公開
[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK
前のページへ 1|2       

 だがPiper Jaffrayのサンティアゴ氏は、新たなシナリオが展開する可能性を指摘している。

 Dellの創設者であるマイケル・デル氏は先週ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)で、AMDプロセッサを提供する可能性を示唆した。またサンティアゴ氏によれば、Dellの販売チームはHPやIBM、Sun Microsystemsなどの競合各社の製品に対抗できるよう、Opteron搭載サーバを販売したがっているという。

 「さらにわれわれは、AMDベースシステムを出荷するはっきりとした可能性を示唆したマイケル・デル氏の最近のコメントにも注目している。デル氏との会話からも、市場での競争力を高められるよう、同社の販売チームがOpteronベースのサーバ製品を望んでいることが見て取れる」とサンティアゴ氏は記している。

 そのほかのアナリストも、DellがAMDとの契約に近づきつつあることを感じ取っている。

 「両社はもうすぐ契約という段階まできているはずだ」とEndpoint Technologies Associatesのロジャー・ケイ社長は語っている。

 同氏によれば、競争のためにはDellもそうせざるを得ないのだという。

 「そうしないと、競合他社が喜ぶことになる。競合他社は、エンタープライズ市場でDellを打ち負かすための武器を持っているからだ。フォーチュン100社のうち88社がOpteronサーバを導入しているということは、各社がそれぞれIBMやHPなどのライバル会社からシステムの供給を受けていることになる。競合他社が優良クライアントの間で着々と足掛かりを築くなかで、傍観者的態度を取り続けることは、Dellにとって良いことではない」とケイ氏。

 別のアナリストによれば、DellはAMDプロセッサを使って、消費者のほか、再販業者や企業向けの低価格デスクトップPCを提供する可能性もある。

 Technology Business Research(TBR)のアナリスト、ブルックス・グレイ氏は最近の報告書で次のように指摘している。「TBRは、Dellが向こう2年以内にPC製品にAMDプロセッサを採用すると考えている。またDellは、ホワイトボックスベンダー向けにDellブランドのAMDベースPCを提供し、ノンブランドのプラットフォームをOEMグループを介して推進するだろう。Dellはおそらく、現行のCeleronデスクトッププラットフォームをAMDシステムに置き換えることになるはずだ。コンシューマーおよびバリューユーザー向けのデスクトップシリーズDimension 2400とDimension 3000は、Dellのポートフォリオの中でもAMDプロセッサがフィットする好例となる」

 一方、サンティアゴ氏は報告書で、かなりの量のDellマシンにAMDが採用される可能性を指摘している。同氏の調査によれば、2006年下半期には、Dellのサーバの10%、デスクトップの5%、ノートPCの3%をAMDが占めることになり、2007年には、Dellのサーバの20%、デスクトップの10%、ノートPCの6%にAMDが採用される見通しという。

 AMDは財政的にも復活しそうだ。サンティアゴ氏の報告書によれば、Dellへのプロセッサ販売により、AMDの2006年第2四半期の売上高は1億4400万ドルに達する見通し。

 AMDの広報担当者はこれらの報告書に関するコメントを断っている。Dellの広報担当者は、「当社の計画に変更はない」と語っている。

 Illuminataのアナリスト、ゴードン・ハフ氏によれば、全般的に見て、特に過去数四半期のDellの決算状況を鑑みれば、DellがAMDプロセッサを採用するとの見通しには説得力がある。

 「Dellの業績はここのところ、あまり芳しくない。その理由の1つとしては、OpteronがIntel製品よりも優勢であるという点がある。ただし、IntelやDellやAMDの重役室の特別な情報をつかんでいない限りは、どの人の見解も単なる憶測にすぎない」と同氏。

 なお、ハフ氏によれば、AMDがIntelに対して今よりもはるかに優勢に立っていた6〜9カ月前にDellがAMDプロセッサを採用していれば、事はDellにとってもっと有利に運んでいたはずという。

 「Intelはまだ実際にはサーバ分野でAMDに追いついていないにせよ、同社は既に自分たちの欠点を把握し、目下、AMDとの戦いに向けて、明確な投資を行い、取り組みを進めている。6〜9カ月前は、Intelはもっと暗い状況に置かれていた。戦いが進み始めた今になって、なぜAMDに移行するのだろうか?」と同氏は語っている。

前のページへ 1|2       

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月08日 更新
  1. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  2. 出荷停止となったAmazon認定スタンドの空席を埋められる? 「Fire HD 8 Plus」「Fire HD 10 Plus」に対応したサードパーティー製ワイヤレス充電スタンドを試す (2024年05月07日)
  3. AIに予算20万円以下でピラーレスケースのビジネスPCを組んでもらって分かったこと (2024年05月04日)
  4. WindowsデバイスでVPN接続ができない不具合/NVIDIAのローカルAI「ChatRTX」にAIモデルを追加 (2024年05月05日)
  5. サンワ、ペンを持つように操作できるペン型マウス (2024年05月01日)
  6. j5create、USB4接続に対応した多機能仕様の外付け拡張ドック トリプルディスプレイ出力も可能 (2024年05月07日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. レノボ「Legion Go」の“強さ”はどれだけ変わる? 電源モードごとにパフォーマンスをチェック!【レビュー後編】 (2024年05月03日)
  9. Steamで「農業フェス」開催中! ポイントショップでは無料アイテムも (2024年05月03日)
  10. スター・ウォーズの日間近! 「albos Light&Speaker」スター・ウォーズモデルが登場 (2024年05月02日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー