RADEON X1900シリーズのラインアップとして登場するのは、ベースとなる「RADEON X1900 XT」とそのクロックアップバージョン「RADEON X1900 XTX」、CrossFireのマスターGPUとして機能する「RADEON X1900 CrossFire Edition」、そしてハードウェアエンコード機能を実装した「All-In-Wonder X1900」の4モデルとなる。
RADEON X1900ファミリーの仕様は先日登場したRADEON X1800シリーズにほぼ準ずる。RADEON X1000シリーズで採用された新しい技術、サポートするAPIなどはRADEON X1900ファミリーでもそのまま実装される。
RADEON X1900ファミリーの最も大きな特徴は大幅に拡張されたPixelShaderユニットだ。それまでの最上位GPUであるRADEON X1800XTにおいてPixelShaderユニットは16個と、同世代GPU(設計思想的にはひと世代前といってもいい)のGeForce 7800 GTXよりも少なかったが、RADEON X1900ファミリーでは実に48個ものPixelShaderユニットが実装された。RADEON X1800 XTの3倍、GeForce 7800 GTXと比べても2倍に達する。
これまで、ATIとNVIDIAそれぞれ同クラスのGPUを比較すると「VertexShaderの処理に強いATI製GPU」「PixelShaderの処理に強いNVIDIA製GPU」という傾向が必ず見られた。しかし、ATIもPixelShaderの重要性を認めざるをえないようで、ATIデスクトップマーケティング責任者のダニエル・タラノフスキー氏も「VertexShaderはRADEON X1800と同じにしている。なぜなら、この部分もはやボトルネックとならないからだ」と述べている。
PixelShaderユニットの大幅拡張以外では、RADEON X1900ファミリーとRADEON X1800ファミリーとでその構造に大きな違いはない。クロックもノーマルタイプのRDEON X1900 XTがコアクロック625MHz、メモリのデータ転送レート1.45Gbps。RADEON X1800 XTと比べてほぼ同じ。メモリクロックはやや落ちている。
RADEON X1900 XTXはRADEON X1900 XTのオーバークロックバージョンともいうべきもので、その違いは動作クロック以外にない。コアクロック650MHz、メモリのデータ転送レート1.55Gbpsとこちらは文句なく速い。ただし、メモリの速度はGeForce 7800 GTX 512の1.70Gbpsより遅い。
クロックを並べてみると、さほど大きな進化を遂げていないように見えるRADEON X1900ファミリーであるが、やはり、現役最多のPixelShaderユニットがどれだけ“
もの”をいうか興味深いところである。
RADEON X1900XT | RADEON X1900XTX | RADEON X1800XT | GeForce 7800 GTX | GeForce 7800 GTX 512 | |
コアクロック | 625MHz | 650MHz | 625MHz | 430MHz | 550MHz |
メモリクロック | 1.45GHz | 1.55GHz | 1.50GHz | 1.20GHz | 1.70GHz |
VertexShader | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 |
Pixcel Shader | 48 | 48 | 16 | 24 | 24 |
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