ScanSnapは従来より、作成したPDFファイルにOCR処理をかけてテキスト情報を抽出し、キーワードでPDFファイルを検索できるようにする便利な機能を備えている。スキャン時にOCR処理をかけることもできるのだが、その分PDFファイルとして出力されるまで時間がかかってしまうため、いったんPDFファイルとして出力してからOCR処理をかけるように設定することもできた。OCR処理やテキスト検索ができるのは、「ScanSnap Organizer」の「My ScanSnap」に登録されたPDFファイルが対象となる。
とはいうものの、これまではOCR処理を自動的に行うように設定しておくことはできなかった。しかし今回から自動OCR処理が可能となり、それに加えて、PCが使用されていない時間(アイドル時間)にOCR処理を行うように指定できるようになった。この機能を使えば、昼食や会議・打ち合わせ、外出などで席を離れている間にOCR処理をかけてくれるので、スキャンしたPDFファイルの扱い勝手が大幅に向上した。
ちなみにOCRエンジンには富士通・富士通研究所が開発したカラー文書認識技術を搭載しており、カラー文書中の文字の認識精度が従来よりも約20%向上しているという。
以上のようにS500は、従来モデルから大幅な進化を遂げていることがお分かりいただけただろう。ほかにも添付ソフトの「名刺ファイリングOCR」では、携帯電話で利用可能なQRコードの認識/生成が可能になっており、名刺情報をより管理・活用しやすくなった。
それ以外にも、「Acrobat 7.0 Standard」がバンドルされているので、さまざまなビジネスシーンでPDFを思う存分に活用できる点もポイントだ。S500はオープンプライスだが、実売価格は5万円前後と予想される。実売価格が3万円台後半のAcrobat 7.0 Standardが付属してくることを考えると、約1万5000円の追加投資でS500が購入できることになり、お買い得感は否が応でも増すだろう。
もちろんS500を強力なビジネスツール、便利なパーソナルツールとしていかに使いこなすかはユーザー次第である。その辺は回を改めて紹介することにしよう。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月12日