シマンテックは2月14日、同社コンシューマ向けの新たな統合セキュリティサービス、開発コードネーム「Genesis」に関する記者説明会を開催した。Genesisは、従来より同社が展開するノートンシリーズのような自己のPCにインストールする形態=スタンドアロン型ではなく、オンライントランザクション(取り引き)といったオンラインにおける対策を含めた、個人ユーザー向け統合型セキュリティ機能を総括するサービスとして展開されるもの。2006年秋頃の開始を予定している。
昨今は、ウイルス対策やファイアウォール設置だけにとどまらない、ファーミングやフィッシング詐欺などの新たな脅威も出現し、コンシューマユーザーもそれらに対してセキュリティ対策を行う必要がある。そしてそれらユーザーの行動範囲も、利便性と実用性のために手軽で高速な双方向コミュニケーションの手段として、オンラインバンキングやインターネット通販などの重要な個人情報を含むトランザクション=取り引きをオンラインで行う行動も一般化されてきている。
シマンテックによると、ユーザーによるセキュリティに対する認識・認知度は年々高まっており、かつセキュリティ対策ソフトの必要性を認識しながらも、複雑化され、年々増えるセキュリティ技術や対策に関して「何をどのように行えばいいのか」と混乱している現状もあるという。同社はインターネット接続された個人用PCのうち、個人情報やデジカメ写真など重要な個人資産が保存されているPCは約75%、かつ適切なセキュリティ対策が行われていない(定義ファイル更新がなされていないなどの)PCが30から40%もあると予想している。
また、オンライントランザクションを行うユーザー総数こそは増加しているが、いっぽうでインターネットに対する個人ユーザーの信頼が揺らいでいる現状もある。ID・個人情報窃盗への不安、オンライントランザクションそのものの不安などである。
ガートナー調べによると、近年、53%のインターネット利用者がID盗難を恐れてWebサイトへ上への個人情報開示をやめ、42%の個人ユーザーがフィッシングなどオンライン上脅威への不安からオンラインショッピング利用を控え、30%のユーザーが上記のためインターネットそのものの利用を減らし、14%のユーザーがオンラインでの請求書支払いをやめ、4%のユーザーがオンラインバンキングを完全にやめた。
近年のインターネット利用者の現状 | ||
・ID・個人情報窃盗への不安 | インターネット利用者がID盗難を恐れ、Webサイトへ幼保個人情報開示をやめたユーザーの割合 | 53% |
・電子商取引への影響 | フィッシングなどのオンファイン攻撃の不安がオンラインショッピングへの利用に影響を与えたと考えるユーザーの割合 | 42% |
・インターネット利用の減少 | 上記のためインターネットそのものの利用を減らしたユーザーの割合 | 30% |
・オンラインバンキングに対する不安 | オンラインでの請求書支払いをやめたユーザーの割合 | 14% |
オンラインバンキングを完全にやめたユーザーの割合 | 4% |
同じく2005年11月に行われた、国内ユーザーにおける同社インターネット詐欺調査結果でも、74.4%のユーザーが金銭的被害を受けることに、51.4%のユーザーがPC内の個人情報が漏れることに不安を持っている。
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