作戦に参加する部隊群の指揮を自分で取るのか、コンピュータに指揮を委譲するのかゲーマーは指定できる。ここがCarriers at Warの第1の特徴である。すべてのコントロールを自分で行って総合的な作戦指揮をとってもいいし(珊瑚海海戦ならば、この場合、ゲーマーの立場は第4艦隊司令長官井上正美中将ということになる)、「Takagi」部隊だけをコントロールして4航戦の動きにジリジリしながら5航戦で敵機動部隊を撃滅してもいい。なんだったら「Shima」部隊だけをコントロールして、味方の機動部隊の戦果にハラハラしながらツラギ攻略隊を指揮してオロオロと逃げてみるのも(たまには)いいかもしれない。
ゲーマーが指揮できる部隊に制限を課して、当時の一部隊指揮官が経験した情報の制限と行動の制約を体験できるのは、Carriers at Warが「コンピュータを使った空母戦ゲーム」であることをうまく活用した1つの例といえる。このように、「ウォーゲームにおけるゲーマーの立場」を重視したゲームデザインが取られたCarriers at Warは、具体的ば部隊運用の手順においても、ボードゲーム的デザインを継承したCARRIER FORCE、そしてそれを発展させたCARRIER STRIKEと大きく異なっている。
CARRIER STRIKEでは「戦闘機」「爆撃機」「雷撃機」という単位で編成される航空隊に対して「格納庫」「整備」「飛行甲板」「発艦」とゲーマーが1機単位で動かして運用していた。Carriers at Warでは、中隊規模(9機から27機、シナリオによっては60機という場合もある)の航空隊単位で運用する(なお、CAPに割り当てる機数は1機単位で指定できる)。
その手順も各隊に「命令」を与えるだけだ。命令を与えられた中隊にたいしてPCが自動で給油と武装を施し、CAP任務ならローテーションを組んで順次発艦させ上空警戒をこなし、また着艦して再度発艦準備にかかかる。
攻撃任務は、発見された敵部隊からゲーマーが目標を指定して攻撃に参加する中隊を選択する。戦闘機隊には「護衛をするのか」「攻撃もするのか」の命令を与え、攻撃隊全体には「編隊を組んでいくのか」(これを命令すると、先に発進した中隊は攻撃隊全機が発艦するまで艦隊上空で旋回待機となる。発艦してから進撃を開始するまで時間を消費するため攻撃できる距離が短くなる)、それとも「各個進撃するのか」(これを選択すると発艦したら中隊単位ですぐに敵目標にむかって進撃する。攻撃距離は長くなるが、各中隊がバラバラに進むため、攻撃機が護衛機の援護を受けられない、といったデメリットもある)を決定する。
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