日立製作所2006年PC春モデル「Prius P」シリーズの中核をなすモデルが「Prius Air」だ。同社製家庭向け液晶TV「Wooo」や松下電器産業「VIERA」などで採用されるS-IPSパネル搭載の26インチワイドサイズの大型液晶ディスプレイと、地上デジタル放送の視聴・録画に対応するスリムタワーデスクトップPCとなる。
今回試すPrius Air AR75Pは、26インチワイド液晶ディスプレイを採用し、リビングルームでの利用シチュエーションを視野に入れたモデルとなる。なお、TV録画機能などPCとしてのスペックはほぼ同一ながら、17インチワイド液晶ディスプレイが付属する「Prius Air AR37P」も用意する。こちらはプライベートルームなどでの使用を意識した製品に位置付けられる。
Prius Air AR75Pは地上デジタルと地上アナログチューナーを搭載し、デジタル+アナログの2番組同時録画を実現する。さらにデジタル放送は、ハイビジョンクオリティのままHDDへTS(トランスポート・ストリーム)録画が可能で、かつハイビジョン再生が行える機能の搭載がまず大きなポイントとなる。
なお、ハイビジョン録画した番組をSDクオリティへダウンコンバートし、DVD-RAM記録(ムーブ)する機能も備えている。デジタル放送の編集が行えない点を除けば、地上デジタル対応の家庭用DVD/HDDレコーダー+ハイビジョン対応TVの組み合わせとほとんど変わらない。
本機は、Intel 915GVチップセット搭載マザーボードにPentium 4 630(3GHz)、DDR2 SDRAM(PC2-4200)1Gバイト、Serial ATA/150 320GバイトHDD(地上デジタル放送:約51時間、地上アナログ放送:最大約280時間の録画が可能)、2層DVD±R記録対応DVDスーパーマルチドライブを実装する。グラフィックスはIntel 915GVチップセット内蔵機能を使用し、別途グラフィックスカードの追加は行えない。3基のPCI拡張スロットを備えるがTVユニットなどですべて占有済みとなる。2基のPCカードスロット(Type II)とSDメモリカード/メモリースティック対応メモリカードリーダー、6基のUSB 2.0ポート、1基のIEEE1394ポート(4ピン)を搭載する。
本体ケースはグレー基調のカラーに、縦置き時に高さよりも幅を抑えた、いわゆるスリムタワータイプを採用する。前面のドライブベイや各種前面スロット、端子類はフルカバー化されており、いわゆるPC然としていない。リビングルームへの設置を意識したすっきりとしたデザインである。前面中央を縦に走るインジケータ類は明るさ調整も可能で、照明を落として映像を楽しむ場合などにも目障りにならないよう配慮されている。
リビングルームなどで本体から少し離れても操作できるよう、最大5メートル離れても操作できる2.4GHz帯無線タイプのワイヤレスマウスとキーボードが付属する。これらはロジクールのOEM製品のようで、それだけしっかりしたキーボードとマウスが付属しているといえる。
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