ウルトラモバイルPCの試作機を見た(2/5 ページ)

» 2006年03月09日 08時34分 公開
[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK

 UMPCプラットフォームはさまざまな用途向けにカスタマイズできるだろうとIntelのモバイルプラットフォーム部門省電力製品担当マーケティングディレクター、ブラッド・グラフ氏は言う。

 企業向けの用途の場合、「これはほかのクライアントPCと同じOS、同じソフトをロードし、同じセキュリティと管理機能を備える」と同氏は語る。その点から、「当社の顧客はかなり興味があると言っている」という。

 このため、このマシンはWi-Fi、そしていずれはWiMAXや3G携帯ネットワークなどのネットワークで動作できる機能を備えるかもしれない。

 しかしIntelには、すべてのユーザーにすべての機能を提供しようとするような手に余るデバイスを構築する手助けをする気はない。UMPCは携帯電話や音楽プレーヤーなど、何かのデバイスに取って代わることを目的として設計されているのではない。IntelはこれをPCに置き換えようとも思っていないとグラフ氏は言う。

 「(顧客は)コンピュータが欲しいならコンピュータを買う。コンシューマーは自分の関心に最適化されたデバイスを求めると当社は考えている」(同氏)

 例えば、「カーナビシステムの代わりにUMPCを買いたいという人はかなりいると思う」と同氏は語る。UMPCは同じくらいの価格でより優れた機能を提供するからだという。

 「音楽を聴きたい(だけ)なら、iPodを買えばいい」(同氏)

 しかし、1台でネットアクセス、電子メール、ビデオ視聴、音楽再生、さらにはゲームも利用できるデバイスを求めるユーザーは、UMPCを選ぶだろうと同氏は主張する。

 グラフ氏は、具体的な価格目標や、Microsoftがこのデバイスの設計に際して演じた役割については明かそうとしなかった。Microsoftはこれまでのところ、Origamiプロジェクトに関するコメントを控えている。だが、IntelとMicrosoftのUMPCに関する取り組みについては、今週中に詳細が明かされるもようだ。

 Intel幹部は独ハノーバーで開かれるCeBITで基調講演を行う予定になっている。この講演で、同社はUMPCプラットフォームの詳細を明らかにするとみられている。Microsoftもこの講演に参加して、詳しい話をするかもしれないとこの計画に詳しい筋は話している。

 Microsoftは以前から、同社が「Lifestyle PC」と呼ぶ新しいカテゴリーのデバイスの開発に取り組んできた。このマシンはUMPCと同じもののようで、Intelプラットフォームを採用する。1000ドルを切る価格と、1日中持つバッテリーを目指している。

 eWEEKにこのプラットフォームについて語った複数の情報筋によると、OrigamiはWindows XP上で走るシェルで、UMPCまたはLifestyle PCにマルチメディアアプリケーションを起動するための使いやすいインタフェースを提供するようだという。

 UMPCプラットフォームをサポートする企業には、コンテンツを提供するYahoo!、AOL、Sling Mediaや、無線アクセスなどの機能を提供するMarvell Technologiesなどの半導体メーカーが含まれる。

 しかし、Windowsがすべでのx86プロセッサで動作することを考えると、OrigamiをAMDやVIA Technologiesのプロセッサと組み合わせるPCメーカーが出てくる可能性も残っている。

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