ナナオの24インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2410W」は、個人のみならず、業務用途でも非常に人気が高い。導入によって、従来のディスプレイ環境とは何がどう変わり、業務効率がどのように向上したかなど、実際の現場の声をお届けする。今回は、住宅地図の作成・刊行を手がける刊広社を訪れた。
刊広社は石川県金沢市に本社を構え、北陸地方を中心とした詳細な住宅地図を制作・刊行している企業だ。住宅地図とは、建物の名称や住宅の表札(氏名)まで記載された、非常に詳しい地図である。おもに、役所・役場、警察、消防といった官公庁や、不動産業や自動車販売など地域密着型の業種で主に利用されている地図だ。交番で目的地を尋ねたことがあれば、その地域の住宅地図も目にしているのではないだろうか。
刊広社が制作する住宅地図は、基本的に毎年1回のペースで更新され、編集ページの総数は、実に約3万5000ページにもおよぶ。この作業を担当しているのが、総勢で数十人のオペレータだ。
作業環境は、Windowsマシンとオートデスク製CADソフト「AutoCAD」がメインだ。ディスプレイは、これまで20インチUXGA(1600×1200ドット)クラスのCRTを使い続けていたが、2005年の12月にナナオの「FlexScan S2410W」(以下、S2410W)を15台ほど導入している。今のところはCRTも併存しているが、順次リプレースしていくという。
導入の経緯だが、S2410Wのデモを見てほぼ即決したそうだ。決め手は、やはり24.1インチWUXGA(1920×1200ドット)という大画面・高解像度。「地図」というコンテンツと、拡大表示で細かい作業を行うことが多いという業務の性格上、解像度は少しでも高いほうがよい。
地図サイトを見るときは、ほどよい縮尺で広範囲を一度に表示できると位置関係がわかりやすい。利用者の立場から見てもそうなのだから、制作者の立場ではなおさらだろう。おそらくこれは感覚的にご理解いただけるはずだ。
また、地図制作に使うAutoCADは、独自のカスタマイズで大量のツールバーボタンを追加している。実際に作業画面を見せてもらったが、本当にたくさんのボタンが画面の上や左右に所狭しと並んでいた。さらに、それらのスペースを除外しても、一定以上の地図表示エリアを確保しなければならないため、画面解像度が作業のしやすさに直結する。
ちなみに、17インチや19インチの液晶ディスプレイでマルチモニタという選択肢は、はじめから考えなかったという。AutoCADでの全画面表示がほとんどであるため、マルチモニタだと液晶ディスプレイのベゼルが邪魔になり、かえって作業がしにくくなるそうだ。これは地図やCADソフトに限らず、グラフィックやオフィスアプリケーションでも同じことが言える。
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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日