VAIO type Vシリーズは全モデルでアナログダブルチューナーを搭載している。さらにデジタル放送対応モデルも用意されていたが、こちらはオンライン直販(SonyStyle)でしか購入できなかった。しかし、2006年春モデルからは、今回紹介する店頭モデル「VGC-VA201DB」でもデジタル放送に対応するようになった。もちろん、BS/110度CS/地上デジタルチューナーに加えて、VAIO type Vの特徴であるアナログのダブルチューナーもそのまま搭載しているのでデジタルと併せて3つの番組を同時に録画できるようになっている。
ところがである。3番組を同時に録画するにはアナログかデジタルのどちらかを予約録画状態にしておかなければならない。ライブ視聴をしながらデジタルとアナログの同時録画はできないのだ。この制限は、主にアナログ放送視聴ソフト「Do VAIO」とデジタル放送視聴ソフト「StationTV Digital for VAIO」が同時に起動できないことが原因である。
Do VAIOでは視聴中に録画を開始するとDo VAIOが終了できなくなる。デジタル放送を見るためにStationTV Digitalに切り替えるにはDo VAIOの録画を止めなければない。その逆も同様で、StationTV Digitalは録画を継続しながら画面を閉じることはできるのだが、その状態でDo VAIOが起動ができない。アナログ放送を見るためにStationTV Digitalの録画を停止しなければならないのだ。
この制限でユーザーが困るのは、デジタル放送を見ているときに「ああ、アナログ放送の裏番組が始まる時間になってしまったからあとで見ようっと」と録画を開始すると、アナログ放送で始まる裏番組を見ることができない点だ。
StationTV Digitalそのものにも利用上の制限は多い。まず、デジタル放送の予約録画中はStationTV Digitalが起動できないために録画しているデジタル放送が見れない(予約していてもその場にいて番組を見ることはよくあるはずだ)。すでに録画しているデジタル番組の再生もできない。この制約はHDDレコーダの使い勝手を知っているユーザーには我慢しがたいはずだ。
このStationTV Digitalはピクセラ製で、富士通(ただし名称はDigitalTVBoxとなっている)やシャープなども採用している。全画面モードでのみ動作するため子画面にしてPCと併用する「ながら視聴」ができない点など、基本的な機能はほかのメーカーに導入されているものと共通しているのだが、VAIO向けのStationTV Digital “for VAIO”では、視聴中に一時停止ボタンを押すことで「タイムシフト」モードが可能になる点や、録画済みの番組を再生するときにシークバーを使って再生場所をスキップできる点など、ほかとは違う機能が加えられている。しかし、現時点ではほかのメーカー製PCで可能になっている「ムーブ」に対応していない。この点は改善して欲しいところだ。
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