地デジ+Viiv+スマートデザインは理想のAVセンターPCか──日立「Prius Deck DH75P2」2006年春の地デジ対応モデル連続レビュー(3/3 ページ)

» 2006年03月29日 11時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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MCE2005+Viiv+HDMIで、デジタルメディアコンテンツも手軽に大画面再生

 ほかのPriusシリーズにない特徴として、OSにWindows Media Center Edition 2005(MCE 2005)を採用し、インテルによるホームエンタテインメント向けプラットフォーム「Viiv」に対応、さらにHDMI端子やCPUなどViiv準拠パーツを搭載することで実現した、ハイビジョン対応のデジタルメディアコンテンツへアクセスできる機能が挙げられる。

 リモコン操作だけでインターネット上のデジタルメディアサービスに接続し、まるでHDDに収められたコンテンツを再生するように手軽にコンテンツの再生が可能である。あくまでMCE 2005からアクセス可能な公式コンテンツに限定されるが、USEN「Gyao」など、アクセス可能なコンテンツは増えている。MCE 2005を投入するマイクロソフトに加えて、インテルもViivでオンラインコンテンツに本腰を入れているという昨今の流れもあり、今後はコンテンツだけでなく対応機種も増えてくると思われる。

photo MCE 2005の「メディアオンライン」から、オンデマンドコンテンツを視聴できる。再生できるコンテンツは10フィートUIにより、リモコンやマウスで操作できる。ブラウザを用いる場合と比較すると操作はかなり容易で、PCの操作やインターネット利用に関する知識もほとんどいらない

 なお、家庭用の大型薄型テレビなどとHDMIで接続することにより、ハイビジョンコンテンツを大画面で楽しむこともできる。付属の液晶ディスプレイではPC画面・PC操作を、リビングルームのTVでハイビジョンコンテンツ視聴をというような利用ができそうだ。ただし、本機で録画したハイビジョン番組の再生はHDMI出力で行えない、少々中途半端な部分が現状ではまだ存在する。リビング設置を想定するPCとして、また新たな活用方法を積極的に提案しているモデルであると考えたい。

リビングルームによく似合う地デジ・ハイビジョンPC

 これまでに上げた特徴のほか、DLNAに準拠した「DiXiM Media Server」も搭載し、ホームサーバとして機能させることもできる。LAN接続されたPCにて、同じく同梱する「DiXiM Media Client」(あるいはDLNA準拠クライアント)を使用することで本機に保存された動画、音楽、静止画といったマルチメディアコンテンツを共有できる(一般家庭での使用を想定し、DiXiM Media Clientは合計3台ぶんのライセンスが付属する)。ただし、DiXiM Media Clientでは地上デジタル放送(視聴はもちろん録画番組も含めて)を配信することはできない。

 本機は、地上デジタル放送や手軽なViivの対応、そしてホームサーバにもなる、いまどきのリビングルーム設置を想定したPCとして多くのツボを抑えた機能を備えている。しかし、これら機能の連携がやや未消化である部分があるのも否めない。例えば、録画した地上デジタル放送はホームサーバ機能では配信できないし、MCE 2005からもアクセスできない。そして録画した地デジ番組の再生はHDMI出力で行えない。これは、現状のPCにおいて著作権保護が施された地上デジタル放送の取り扱いが標準化されておらず、それが原因である問題が大半を占めていることにある。もちろんこれは本機だけに限ったことではなく、PCベンダーだけでは解決できない問題も多く含むため、なかなか解決が困難でもある。

 もっともこのような点を差し引いても、デュアルコアCPU採用で静音仕様、さらにスリムでデザインにも優れた格好よさは大きな購買意欲に結びつくだろう。HDDも出荷時からパフォーマンス重視のストライピング構成で出荷されるなど、地デジ対応モデルでも最上位クラスのハイパフォーマンスPCとして魅力的な部分は非常に多い。スマートでパワフル、当然地デジ対応。リビングルームに設置し、大画面テレビとも接続したい。このような近未来的な使い方を想定するユーザーであれば、一考する価値のあるPCだ。


Prius Deck DH75P2
CPUPentium D 920 (2.80GHz/LGA775)
チップセットIntel 945G
2次キャッシュ2048Kバイト×2(CPU内蔵)
メインメモリ標準/最大1024Mバイト(512Mバイト×2)/2048Mバイト
規格DDR2 SDRAM(PC2-4200)
メモリスロット(空き)240ピンDIMM×2(0)
拡張スロット(空き)PCI×1(0)
HDD 500Gバイト(7200rpm Serial ATA/300 250Gバイト×2)
RAIDRAID 0(ストライピング)
DVDスーパーマルチドライブ(スロットインタイプ/ディスプレイに搭載)記録速度2層DVD+R 2.4倍速/2層DVD-R 2倍速/DVD±R 8倍速/CD-R 24倍速
書き換え速度DVD-RAM 5倍速/DVD±W 4倍速/CD-RW 16倍速
再生速度DVD-RAM 5倍速/DVD-ROM 8倍速/CD-ROM 24倍速
ディスプレイ種類20インチワイド(DT5201W:ワイドアドバンストスーパーピュアカラー液晶)
解像度1360×768ドット
コントラスト比550:1
輝度約500カンデラ/平方メートル
視野角上下左右 170度
搭載インタフェース専用ディスプレイ端子(DVI-D形状)×1、D4入力×1、PC音声入力(ステレオミニジャック)×1、ヘッドフォン出力(ステレオミニジャック)×1、MIC-IN/OUT(ステレオミニジャック)×各1、USB 2.0×3、専用データ端子×1、
グラフィックスチップチップセット内蔵(Intel 945G)
グラフィックスメモリメインメモリと共有(最大128Mバイト)
サウンドチップセット内蔵(Intel High Definition Audio CODEC準拠、光デジタルオーディオ出力対応)
内蔵スピーカーディスプレイ内蔵、3ワット×2
光デジタル音声出力角形(背面)×1
TV機能 ハードウェアMPEG-2デコーダ搭載地上デジタル×1
録画機能デジタルハイビジョン放送:1080i(約21Mbps)
デジタル標準TV放送:480i(約11Mbps)
最大録画時間:デジタルハイビジョン放送(約21Mbps)約43時間
最大録画時間:デジタル標準TV放送(約11Mbps)約83時間
PCカードスロット
Expressカードスロット
メモリカードスロットSDメモリカード/メモリースティック(メモリースティック PRO対応、MAGIC GATE非対応)/xDピクチャーカード/MMC(ディスプレイに搭載)
USB本体:USB 2.0×2(背面)
ディスプレイ:USB 2.0×3(うちアップストリーム×1)
IEEE1394S400/4ピン×1(背面)
ビデオ出力専用ディスプレイ出力(DVI-D形状)×1、HDMI×1 (リピータ機能:非対応、HDMIから地上デジタル放送のHD画質表示:非対応)
イーサネット1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T
FAXモデム56kbps(V.90)/14.4kbps
その他インタフェースB-CASカードスロット×1、地上デジタルTVアンテナ×1、LINE-IN/OUT(ステレオミニジャック)×各1、MIC-IN(ステレオミニジャック)×1、専用データ端子×1
電源ユニット200ワット(AcBel API5PC25)
本体サイズ本体:59(幅)×386(奥行き)×370(高さ)ミリ
ディスプレイ:493(幅)×209(奥行き)×410(高さ)ミリ
重量本体:約7キロ(スタンド除く)
ディスプレイ:約9.8キロ
搭載OSWindows XP Media Center Edition 2005
主な付属品ワイヤレス109キーボード、ワイヤレススクロールホイール付き光学式マウス、Prius専用リモコン、Media Centerリモコン、Media Center用リモコンレシーバー、電源コード、PCスタンド、横置き用ゴム足、結束バンド、単3電池×8 (ワイヤレスキーボード・マウス・リモコン用)、D端子ケーブル、アンテナケーブル、再セットアップディスク、各種マニュアル、B-CASカード
主な付属ソフトOffice Personal Edition 2003 SP1、PriusNavistation4、わくわくナビ、Priusかんたんファイルメール、かんたんファイルサーチ、Prius画面拡大、読みワザ、DiXiM Media Server、DiXiM Media Client、マカフィー ・ウイルススキャン(90日間サポート版)、マカフィー ・パーソナルファイアウォールプラス(90日間サポート版)、i-フィルター4(30日間使用可能版)、DVD-MovieAlbum SE 4、筆ぐるめ Ver13 for HITACHI、TheSky6 Lite、RecordNow! 7.3、Drag'n Drop CD+DVD 5 for HITACHI、DVD MovieWriter 4 for HITACHI 、SD-VideoWriterなど
発売2006年1月14日
価格オープンプライス(予想実売価格:32万円前後)

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