ほかのPriusシリーズにない特徴として、OSにWindows Media Center Edition 2005(MCE 2005)を採用し、インテルによるホームエンタテインメント向けプラットフォーム「Viiv」に対応、さらにHDMI端子やCPUなどViiv準拠パーツを搭載することで実現した、ハイビジョン対応のデジタルメディアコンテンツへアクセスできる機能が挙げられる。
リモコン操作だけでインターネット上のデジタルメディアサービスに接続し、まるでHDDに収められたコンテンツを再生するように手軽にコンテンツの再生が可能である。あくまでMCE 2005からアクセス可能な公式コンテンツに限定されるが、USEN「Gyao」など、アクセス可能なコンテンツは増えている。MCE 2005を投入するマイクロソフトに加えて、インテルもViivでオンラインコンテンツに本腰を入れているという昨今の流れもあり、今後はコンテンツだけでなく対応機種も増えてくると思われる。
なお、家庭用の大型薄型テレビなどとHDMIで接続することにより、ハイビジョンコンテンツを大画面で楽しむこともできる。付属の液晶ディスプレイではPC画面・PC操作を、リビングルームのTVでハイビジョンコンテンツ視聴をというような利用ができそうだ。ただし、本機で録画したハイビジョン番組の再生はHDMI出力で行えない、少々中途半端な部分が現状ではまだ存在する。リビング設置を想定するPCとして、また新たな活用方法を積極的に提案しているモデルであると考えたい。
これまでに上げた特徴のほか、DLNAに準拠した「DiXiM Media Server」も搭載し、ホームサーバとして機能させることもできる。LAN接続されたPCにて、同じく同梱する「DiXiM Media Client」(あるいはDLNA準拠クライアント)を使用することで本機に保存された動画、音楽、静止画といったマルチメディアコンテンツを共有できる(一般家庭での使用を想定し、DiXiM Media Clientは合計3台ぶんのライセンスが付属する)。ただし、DiXiM Media Clientでは地上デジタル放送(視聴はもちろん録画番組も含めて)を配信することはできない。
本機は、地上デジタル放送や手軽なViivの対応、そしてホームサーバにもなる、いまどきのリビングルーム設置を想定したPCとして多くのツボを抑えた機能を備えている。しかし、これら機能の連携がやや未消化である部分があるのも否めない。例えば、録画した地上デジタル放送はホームサーバ機能では配信できないし、MCE 2005からもアクセスできない。そして録画した地デジ番組の再生はHDMI出力で行えない。これは、現状のPCにおいて著作権保護が施された地上デジタル放送の取り扱いが標準化されておらず、それが原因である問題が大半を占めていることにある。もちろんこれは本機だけに限ったことではなく、PCベンダーだけでは解決できない問題も多く含むため、なかなか解決が困難でもある。
もっともこのような点を差し引いても、デュアルコアCPU採用で静音仕様、さらにスリムでデザインにも優れた格好よさは大きな購買意欲に結びつくだろう。HDDも出荷時からパフォーマンス重視のストライピング構成で出荷されるなど、地デジ対応モデルでも最上位クラスのハイパフォーマンスPCとして魅力的な部分は非常に多い。スマートでパワフル、当然地デジ対応。リビングルームに設置し、大画面テレビとも接続したい。このような近未来的な使い方を想定するユーザーであれば、一考する価値のあるPCだ。
Prius Deck DH75P2 | ||
CPU | Pentium D 920 (2.80GHz/LGA775) | |
チップセット | Intel 945G | |
2次キャッシュ | 2048Kバイト×2(CPU内蔵) | |
メインメモリ | 標準/最大 | 1024Mバイト(512Mバイト×2)/2048Mバイト |
規格 | DDR2 SDRAM(PC2-4200) | |
メモリスロット(空き) | 240ピンDIMM×2(0) | |
拡張スロット(空き) | PCI×1(0) | |
HDD | 500Gバイト(7200rpm Serial ATA/300 250Gバイト×2) | |
RAID | RAID 0(ストライピング) | |
DVDスーパーマルチドライブ(スロットインタイプ/ディスプレイに搭載) | 記録速度 | 2層DVD+R 2.4倍速/2層DVD-R 2倍速/DVD±R 8倍速/CD-R 24倍速 |
書き換え速度 | DVD-RAM 5倍速/DVD±W 4倍速/CD-RW 16倍速 | |
再生速度 | DVD-RAM 5倍速/DVD-ROM 8倍速/CD-ROM 24倍速 | |
ディスプレイ | 種類 | 20インチワイド(DT5201W:ワイドアドバンストスーパーピュアカラー液晶) |
解像度 | 1360×768ドット | |
コントラスト比 | 550:1 | |
輝度 | 約500カンデラ/平方メートル | |
視野角 | 上下左右 170度 | |
搭載インタフェース | 専用ディスプレイ端子(DVI-D形状)×1、D4入力×1、PC音声入力(ステレオミニジャック)×1、ヘッドフォン出力(ステレオミニジャック)×1、MIC-IN/OUT(ステレオミニジャック)×各1、USB 2.0×3、専用データ端子×1、 | |
グラフィックスチップ | チップセット内蔵(Intel 945G) | |
グラフィックスメモリ | メインメモリと共有(最大128Mバイト) | |
サウンド | チップセット内蔵(Intel High Definition Audio CODEC準拠、光デジタルオーディオ出力対応) | |
内蔵スピーカー | ディスプレイ内蔵、3ワット×2 | |
光デジタル音声出力 | 角形(背面)×1 | |
TV機能 | ハードウェアMPEG-2デコーダ搭載地上デジタル×1 | |
録画機能 | デジタルハイビジョン放送:1080i(約21Mbps) デジタル標準TV放送:480i(約11Mbps) | |
最大録画時間:デジタルハイビジョン放送(約21Mbps) | 約43時間 | |
最大録画時間:デジタル標準TV放送(約11Mbps) | 約83時間 | |
PCカードスロット | ─ | |
Expressカードスロット | ─ | |
メモリカードスロット | SDメモリカード/メモリースティック(メモリースティック PRO対応、MAGIC GATE非対応)/xDピクチャーカード/MMC(ディスプレイに搭載) | |
USB | 本体:USB 2.0×2(背面) ディスプレイ:USB 2.0×3(うちアップストリーム×1) | |
IEEE1394 | S400/4ピン×1(背面) | |
ビデオ出力 | 専用ディスプレイ出力(DVI-D形状)×1、HDMI×1 (リピータ機能:非対応、HDMIから地上デジタル放送のHD画質表示:非対応) | |
イーサネット | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | |
FAXモデム | 56kbps(V.90)/14.4kbps | |
その他インタフェース | B-CASカードスロット×1、地上デジタルTVアンテナ×1、LINE-IN/OUT(ステレオミニジャック)×各1、MIC-IN(ステレオミニジャック)×1、専用データ端子×1 | |
電源ユニット | 200ワット(AcBel API5PC25) | |
本体サイズ | 本体:59(幅)×386(奥行き)×370(高さ)ミリ ディスプレイ:493(幅)×209(奥行き)×410(高さ)ミリ | |
重量 | 本体:約7キロ(スタンド除く) ディスプレイ:約9.8キロ | |
搭載OS | Windows XP Media Center Edition 2005 | |
主な付属品 | ワイヤレス109キーボード、ワイヤレススクロールホイール付き光学式マウス、Prius専用リモコン、Media Centerリモコン、Media Center用リモコンレシーバー、電源コード、PCスタンド、横置き用ゴム足、結束バンド、単3電池×8 (ワイヤレスキーボード・マウス・リモコン用)、D端子ケーブル、アンテナケーブル、再セットアップディスク、各種マニュアル、B-CASカード | |
主な付属ソフト | Office Personal Edition 2003 SP1、PriusNavistation4、わくわくナビ、Priusかんたんファイルメール、かんたんファイルサーチ、Prius画面拡大、読みワザ、DiXiM Media Server、DiXiM Media Client、マカフィー ・ウイルススキャン(90日間サポート版)、マカフィー ・パーソナルファイアウォールプラス(90日間サポート版)、i-フィルター4(30日間使用可能版)、DVD-MovieAlbum SE 4、筆ぐるめ Ver13 for HITACHI、TheSky6 Lite、RecordNow! 7.3、Drag'n Drop CD+DVD 5 for HITACHI、DVD MovieWriter 4 for HITACHI 、SD-VideoWriterなど | |
発売 | 2006年1月14日 | |
価格 | オープンプライス(予想実売価格:32万円前後) |
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