実売3万円以下で両面印刷ユニットを標準装備――A4対応レーザー「Satera LBP3300」(2/2 ページ)

» 2006年04月05日 17時00分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
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ドライバの機能は豊富だが出力解像度の直接指定が行えない

 プリンタドライバは、「ページ設定」「仕上げ」「給紙」「印刷品質」といったタブで分類されており、ドライバまかせの状態でも印刷可能だが、各タブを個別に設定して印刷を行うこともできる。ページ設定タブでは用紙サイズや倍率設定やスタンプの有無を、仕上げタブでは両面印刷やとじしろなどが設定できる。給紙タブでは給紙トレイや給紙カセット(オプション含む)給紙方法を指定するといった感じである。

 気になったのが印刷品質タブで解像度の設定がどこにも明示されていないところだ。ドライバの標準では2400dpi相当×600dpiで印刷される。出力解像度を直接指定することはできないが、モノクロの中間調の指定やイメージのスムージング処理、トナー濃度などは個別に指定できる。できれば解像度を明示的に指定できるような機能も欲しかったところだ。プリンタまかせでも十分にクオリティに自信があるため余計な設定をしてもらいたくないというメーカー側の意志かもしれないが、そうした点ではドライバに改善の余地が残されているといえよう。

「ページ設定」タブでは用紙のサイズや倍率、ビジネス文書用のスタンプを指定できる
「仕上げ」タブは両面印刷やとじしろ、排紙方法などが設定できる
「給紙」タブでは給紙トレイや給紙カセット(オプション含む)などの用紙の給紙方法を指定する
「印刷品質」タブでは、解像度を指定することはできない。印刷目的を選択することでCAPT側が自動的に設定を行う
印刷品質タブ以下に用意されている「グレー設定」では、明るさやコントラストをスライドバーで細かく設定できるようになっている
印刷品質タブにある「詳細」をクリックするとモノクロ中間調(全5パターン)やイメージデータ補正機能、トナー濃度などを指定できる
イメージやグラフィックス、テキストごとにマッチングを個別に指定することが可能
プリンタの状態や印刷処理の進行状況は、このステータスウィンドウで確認することができる。エラーメッセージもこのウィンドウに表示されるようになっている

カタログ通りの高速プリントと納得できる印刷クオリティ

 LBP3300はカタログを見ると「電源投入後、起動7秒以下」「ファーストプリント9秒」「21ppm」という特徴を挙げている。そこで実際にどうなのかを確認するためにベンチマークテストを行った。計測したのは「電源オンから印刷可能になるまで」「A4/モノクロのファーストプリント」「JEITA J1(A4/モノクロ5部印刷)」と、21ppmを実証するために「JEITA J1(A4/モノクロ21部印刷)」にかかる時間を計測している。なお方法はストップウォッチによる手動計測で、Wordの印刷画面で「OK」をクリックした時点で計測を開始し、最後の用紙が完全に排出されるまでを5回計測、その中間値を取っている。

ベンチマーク結果
電源オンから印刷可能になるまで 6.17秒
A4/モノクロのファーストプリント 9.98秒
JEITA J1(A4/モノクロ5部印刷) 21.03秒
JEITA J1(A4/モノクロ21部印刷) 60.62秒
使用したマシン構成:CPU:Athlon64 3200+(2GHz)、メインメモリー:512Mバイト、HDD:Seagate Barracuda 7200.7(ST3160021A/160Gバイト)、OS:Windows XP Professional(SP2)

 計測結果は表の通りだが電源投入から印刷可能になるまでの時間が非常に高速なのが分かる。ファーストプリントは9秒台という結果で、21ppmもほぼカタログ通りといったところだ。電源を投入してから起動が完了するまでの速度には素直に驚いてしまう。全体的に満足できるレベルにあると言える。


A4テキストを最大解像度で出力し、600dpiでスキャンした一部分

 肝心の印刷品質は、テキスト出力に関しては文句なしのクオリティである。細かいポイント数でもかすれたり文字が潰れたりすることはない。ビジネス文書の印刷などに適しているだろう。ただし、写真印刷ではディザリングやハーフトーン処理が明らかに分かってしまうレベルである。モノクロページプリンタにフォトクオリティを求めるのは無意味とも言えるのだが、もう少し中間調の処理に関して改善を望みたいところだ。そうはいっても両面印刷に標準対応しテキストやビジネス文書、Webページの印刷などでは、間違いなく快適な出力環境を提供してくれる製品である。

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