“子ども用”そして家族用として──9万円以下で探す「バリューPC」購入ポイント+D Shopping バイヤーズガイド(1/2 ページ)

» 2006年04月24日 11時11分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

 インターネットの普及とともにPCも家庭内に普及してきた。これまで1家に1台だったPCも、インターネットを介した新しいサービスが登場するとともに、家族1人に1台というスタイルへと変化してきている。ところが1台数十万円するものを家族全員にということはかなり家計に厳しい。

 そのような要望に応えてくれるのが、“バリューPC”というジャンルだ。地上デジタル放送が視聴できるといったTV機能や高度な3Dゲームも余裕となるグラフィックス性能というものは搭載されないが、Webサイトの表示やメール、ほか通常のソフトを動作させるには十分なスペックを備え、価格をとことん抑えていることが大きなポイントとなる。今回は「9万円以下」を1つの目安として、このバリューPCをピックアップしてみよう。目的はずばりゴールデンウィークや夏休みを前に、「子どもにPCを買ってあげる」である。

授業用のノートや筆記用具などと共存も考えたい、子ども用PCの設置面積

 ひとえにバリューPCと括ってみても、実際の製品にさまざまだ。最も大きな違いはそのサイズと形態だ。PCにはタワー型デスクトップもあれば、スリムタイプ、キューブタイプ、そしてノートタイプなどが存在する。

 今回のテーマである「子どもにPCを買ってあげる」であれば、省スペースなスリムタイプやノートタイプが向きそうだ。子ども部屋、それも学習机の上に置くとなったとしても、“紙に書く”宿題スペースも、当然必要だと思う。ことノートモデルであれば、使わないときには引き出しの中にしまったり、時には居間で使用できるなど活用範囲も広そうだ。

9万円以下でもディスプレイセットはある

 デスクトップタイプの場合、今回選ぶバリューPCの場合はディスプレイが別売り(オプション)となっていることが多く、このディスプレイにかかる金額も考慮し、検討しなければならない。ただし自分が今まで使っていたディスプレイをお下がりで、とするならば逆に安上がりになる可能性も多そうだ。なお今回ピックアップする製品の中には、日本HP「dx5150 SF/CT」、デル「Dimension 3100C」など、9万円以下で液晶ディスプレイもセットとなるモデルも存在する。

 この点でいちばん楽な選択はノートタイプになる。当然ディスプレイは搭載しているし、先のスペース的なメリットもある。

デスクトップタイプはスペックが高く拡張性もある

 PCは、購入時にできるだけハイスペックなものを選んでおけばより長く使える。しかし将来、スペックに不足が出てきたとしても、ある程度は機能を向上できることもPCの特徴、そして楽しいところであり、とくにデスクトップタイプであればそれを行いやすい。その際にはメモリやHDDの増設や、TVチューナーカードなど周辺機器の追加などを、子どもと一緒にやってみてはいかがだろうか。PCがどのような仕組みで動き、どのような部品でできているのかなどお勉強の一環にもなりえそうだ。

 このときにスペック表でチェックしておきたい項目は、メモリなどの規格や拡張性の箇所である。ひと昔前の規格を採用するモデルは、購入時金額としてはかなり安い。しかし数年レベルで長く使うことを想定するならば、新しい(現在の)規格を採用するモデルの方が今後の入手性や価格を考えて有利になることもある。

実は少ない無線LAN搭載モデル

 子ども用PCとはいいつつ、用途の中心はインターネットになるだろう。そのため基本的には自分のPCを選ぶこととさほど変わらない。ここで特にチェックしておきたいのは無線LANの有無である。有線LAN端子はすべてのPCに標準で装備されるが、安価さを大きな特徴とするBTO(Build To Order:CPUやメモリ容量など、自由にパーツ・構成を自分好みに選べる注文方法)が主流のバリューPCの場合は、ノートタイプでも無線LANを備える製品はやや少ない。

 子ども用PC、つまり子ども部屋で主に使用させるのであれば、部屋までLANケーブルを引く必要もない無線LANが有利と考えられる。ノートタイプで考えると、無線LANは注文時に内蔵させてしまうことをお勧めしておきたい。デスクトップタイプでもPCI内蔵型や、容易に接続が可能なUSB接続タイプなどもオプションで用意されていることもある。ケーブルによる煩わしさや使用範囲が広くできるなどのメリットのほか、ケーブルに引っかけてPCを落としてしまうなどのトラブルも、ある程度防げるだろう。

子供用PCにはセキュリティソフトやフィルタリングソフトも備えたい

 さてPCを購入し、それをポンと子どもに使わせて大丈夫だろうか。大人が子どものために最低限やってあげなければならないことはまだ残っている。

 Webサイトには、誤って怪しい添付ファイルをクリックしてしまったり、ちょっとしたリンクから有害なサイトにジャンプしてしまったりすることが起こりえる。そのような事故を防ぐためにもセキュリティソフトやコンテンツフィルタリングソフト、ウイルスチェックソフトなどは同時に導入しておきたい。そしてもちろんPCのセキュリティ設定は自分がしっかりと設定するのである。追加予算が必要となるが、こうした配慮は必須だ。

 フィルタリングソフトには例えば日本PTA全国協議会が推奨するものとして、デジタルアーツの「i-フィルター」やサイバーリンクトランスデジタルの「グーイ ファミリースタイル」、旺文社デジタルインスティテュートの「ISAM」などがある。

 これらはいずれも有害サイトURLを中央データベースで管理・更新するタイプで、使用するブラウザに依存しない設計となっている。インターネットに接続してもよい時間を設定できたり、どのようなサイトを見たのかといったネットアクセスのログなどを記録するなどの機能も備える。ほかには、i-フィルターは個人情報漏えい防止機能、グーイ ファミリースタイルは1本で最大6ユーザーまで設定可能なファミリー向け、ISAMは一緒にネチケットを学ぶ教材「考えてみよう!ネチケット」がバンドルされているなどそれぞれ特徴があるので、一緒に購入しておくとよいだろう。

 では、次のページからのスペック比較カタログでこれらポイントを比較しながら、子供に最適な1台をチェックしてみよう。

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