日立製作所の2006年PC夏モデルは「すべて地デジ」をテーマに、投入するすべてのモデルにおいて地上デジタルチューナーを搭載した。その中から最も“パーソナル”向けとなろう、個々の部屋での活用を想定した17インチ液晶一体型モデル「Prius One type S(AW33S1R)」をチェックしてみよう。
Prius One type Sは、1280×1024ドット(SXGA)表示対応の17インチ液晶ディスプレイを採用する液晶一体型モデルだ。基本的な仕様やデザインは前モデル「Prius One AW33P」を踏襲し、用途と使いやすさにこだわりを含めたパーソナルTV兼レコーダー&PCというスタイルになっているのが特徴だ。
CPUに1.60GHz駆動のCeleron M 380、512Mバイト(256Mバイト×2)のDDR2 SDRAM、Serial ATA/150接続の320GバイトHDDを、そして本体正面にスロットインタイプのDVDスーパーマルチドライブを搭載する。よく使うもの──DVDドライブやUSB、IEEE1394、メモリカードリーダーを本体正面に設置し、DVD-Videoの視聴や、デジカメ画像やDVカメラ映像などの取り込み時にも、使い勝手はなかなか良好である。
駆動時の動作音は、ほとんど感じないほど静かだ。すべてを机上に置く液晶一体型PCということで、比較的耳に近く、駆動音が聞こえやすい場所にあるにも関わらず──である。騒音レベルは30デシベル以下(郊外の深夜ほど)を実現する。ただし本体背面の穴から効率よく排熱しているためと思われるが、本体背面・上面はやや熱を帯びる。また先述の通り、ユーザーと設置距離が近いためかDVDドライブ使用時はその駆動音が気になることもあった。
キーボードとマウスは最大約5メートル離れた場所からも操作が行える、2.4GHz帯無線タイプのワイヤレスモデルを採用する。そのため基本は電源ケーブルとテレビアンテナのみを接続するだけとなる、液晶一体型モデルならではの設置の簡単さはかなり魅力だ。本体の奥行きは19.8センチと薄く、キーボード込みで約40センチほどのスペースがあれば小型の机にも置くことができるだろう。
本体スタンドは左右85度(計170度)で調整できるスイーベル機構と前3度/後15度の上下チルト機構が備わり、ワンタッチで取り外しが可能なラスターパネルも付属する。見やすい角度で視聴でき、液晶のつやあり/なしもパネルの取り付けにより好みで選べるようになっている。
前モデルと大きく異なるのは、やはり地上デジタルチューナーを搭載したことにある。2006年PC夏モデルは地デジチューナーを採用するモデルが非常に増えたが、他社のラインアップではややスペックが高く、上位/中位クラス以上のモデルへ採用されることが多い。対して「すべて地デジ」をテーマとする同社製モデルとして、もっともローエンドの本機へも地デジチューナーを備えたことがポイントだ。
TV視聴アプリケーションには、デジタル/アナログ放送の視聴や自動時短再生機能「いいとこ観」機能を備える「PriusNavistation 4」が用意されている。地上デジタル放送の視聴や録画、録画番組の視聴、DVD-Video視聴のほか、デジタル放送のDVD-RAM/DVD-RW(CPRM対応メディア)へのムーブに対応する。
本機は17インチ液晶タイプとなる、ほどよいコンパクトさと一体型ならではの接続・設置も容易であるという特徴を生かし、自分用としてはもちろん、子ども部屋用など“パーソナル”な地デジテレビ兼ハイビジョンレコーダー兼PCとしての活用を想定するユーザーに非常に向いているといえそうだ。
Prius One type S AW33S1R | |
●PCMark05 | |
PCMarks | 1887 |
CPU | 2605 |
Memory | 2266 |
Graphics | 633 |
HDD | 5320 |
●3DMark03 | |
3DMark03(1024×768ドットnonAA、nonAniso) | 878 |
●3DMark05 | |
3DMark05(1024×768ドットnonAA、nonAniso) | 223 |
●FINAL FANTASY XI Official Bench 3 | |
FF Bench 3(Low) | 2409 |
FF Bench 3(High) | 1539 |
※サンプル機のため、市販機と異なる数値となる可能性があります |
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