さて、ここからは17インチMacBook Proの性能を検証してみよう。まずはMac専用のベンチマークソフト「Xbench」だ。結果は下のグラフのようになっている。ほぼCPU性能通りのスピードアップだが、中にいくつか飛び抜けているものがある。1つはGCD Loopという単純なループの計算、それから基本的な浮動小数点演算、そしてOpenGLのグラフィックテストだ。これはビデオチップが密かに強化されていることも関係あるのだろう。
ちなみにMac/Windows両対応の3Dベンチマークソフト「Cinebench」のテスト結果ではこの差がより顕著になっており、ハードウェアを使ったビデオ描画が15インチMacBook Proよりも2倍近く高速になっている。
一方、Photoshopを使った、定型アクションのテストでは画面が大きくなったため再描画に時間がかかってしまったのか、MacBook Pro(15インチ)では79.7秒だったものが92.2秒とかえって遅くなってしまった。
後にPhotoshopのWindows版を使ったテストも行なっているが、PhotoshopのMac版はWindows版と比べて頻繁に画面描画をするため、結果は画面の大きさに左右されてしまうようで、今後は別の検証方法を考えなければならなそうだ。
ところで、これからのIntel Macを評価する上で無視できないのがWindows機としての性能だ。AppleはIntel Core搭載MacにWinows XPをインストールするためのソフト、Boot campのβ版を配布しており、大きな話題を呼んでいる。
Intel Mac最高峰の17インチMacBook Proは、ハードウェアの基本スペックが高いため、もしWindowsでも性能を十分に発揮できるならWindowsマシンとして買う人も出てくるかもしれない。
そこでHD BenchやPCMark05、3DMark06を使って簡単にテストを行なってみた。PCMark05の最終スコアは4074。3DMark06は1810。これは同じIntel Core Duoを搭載したPCとしてはかなり遅い。ただし、これはBoot campがまだβ版で付属のドライバ類がまだ十分に整備されていないというのが主な理由だろう。
ベンチマークテストの結果だけでなく、実際の利用でも不自由な点は多い。例えばAirMac Extremeはうまく認識できないし、Bluetoothもアイコンは表示されるが有効にできない。日本語キーボードも認識されないといった具合で、Windows動作の部分に期待して買うとまだまだ苦労をしそうだ。
ただ、これまでのエミュレーターなどとは違い、本物のWindows XPがネイティブで動いているのであって、DirectXなどを使った本格的なゲームでもちゃんとプレイできるようになった点はうれしいところだ。
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