今回の説明会には米国AMD社長兼最高執行責任者のダーク・マイヤー氏、同社上席副社長兼最高技術責任者のフィル・へスター氏、同社マイクロプロセッサソリュージョンズセクター コマーシャル事業部担当上席副社長のマーティ・セイヤー氏といったトップ幹部が来日。その背景として日本AMD代表取締役社長のデビット・ユーゼ氏は「AMDは日本を2番めに重要な国と見ている」と冒頭で説明。
次いでAMDのビジネス戦略についてセイヤー氏が紹介。AMDの方針が技術第一主義から顧客中心主義にシフトしてから急速に成長を遂げている状況を「11四半期連続で前年同期比20%以上の高い成長を実現し、とくに最近は2期連続四半期で70%を超えている」と述べた。
AMDの法人向け市場戦略については、2006年末までにサーバで20%、クライアントで15%のシェア確保を目標として掲げている。その実現のために現在のデータセンターが抱えるパフォーマンスと消費電力の問題解決にフォーカスしていくとセイヤー氏は説明。さらにそこで得られた成果をクライアントPCのビジネスでも応用していくという。「すでに成果は出ていて第1四半期でシェア20%を実現した」(セイヤー氏)
AMDは2007年以降にクワッドコアの“ワット性能”で優位に立ち、2009年にはサーバ市場で圧倒的な地位を確立することを目標としている。
コンシューマー市場の戦略については、「市場はPCと家電のシームレスな統合を求めている」(セイヤー氏)とエンターテイメントプラットフォームとしてコンシューマーユーザー向けにも展開しようとしているプラットフォームブランド「AMD LIVE!」に触れ、「遠くない将来にAMD LIVE!に対応したPCが購入できるようになるだろう」(セイヤー氏)とまもなく具体的な動きがあることを示唆した。
Socket AM2の説明を行ったヘスター氏は、Socket AM2への導入によってもたらされるメリットとして、単一ソケットですべてのラインアップをカバーすることでOEMは開発コストの削減が実現し、ODMや流通業者は在庫コストの削減を実現できると説明している。
また、Socket AM2対応にあわせて登場したRev.Fコアで導入されたAMDの仮想化技術ついても「(AMDのCPUは)仮想化のために最適化されている」(セイヤー氏)と仮想化においても優位であると説明。さらにDDR2への対応についても、価格などのDDR2の問題が解決された今こそ正しいタイミングであると強調した。AMDは「インテルはFB-DIMMというまだ市場で試されていないメモリを投入しようとしている」(セイヤー氏)と牽制することも忘れていなかった。
発表会の会場にはSocket AM2対応のマザーボードが展示された。NVIDIA、ATI、VIA、ULi、SiSなど主なチップセットベンダーが対応製品のリリースを予定しているが、会場にあったボードの多くはNVIDIAのnForce 500シリーズを搭載、ほかにATIとVIAのチップセットを搭載したマザーボードが見られた。
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