EIZOクオリティを保ちつつ低価格化。動画も静止画も快適な19インチ液晶ディスプレイ──FlexScan S1931-SA(2/2 ページ)

» 2006年05月30日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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オーバードライブ搭載など基本スペックが高く、画質も良好

 続いて、基本スペック、画質、機能を順番に見ていこう。

 輝度は280カンデラ/平方メートルで、最近の液晶ディスプレイとしては低めである。暗いシーンが多い映画やゲームなどでは、もう少し明るさが欲しく感じる場面もあるが、それ以外の用途で困ることはまずない。通常は、輝度をかなり落として使うことが多くなるだろう。輝度調整は0〜100%で行う。明るさの変化幅が大きい点には好感が持てる。

 コントラスト比は1000:1、視野角は水平/垂直とも178度と、どちらも十分だ。応答速度は黒→白→黒が16msで、中間階調はオーバードライブの搭載により8msと高速。映像コンテンツならば、残像感もほとんど気にならず、快適に鑑賞できる。ゲームは残像感に対する個人差が大きい分野で、おもに背景が動くときに“ブレ”を感じるユーザーも少なくないだろう。ただしこれは、現在の液晶ディスプレイで全般的に言えることだ。

 冒頭で述べたように、S1931の液晶パネルはVA系なので、静止画の表示品質は高い。17/19インチクラスの主流であるTN系パネルと比べて、視野角による色の変化が少ない。一部のハイエンドモデルが採用するIPS系パネルには及ばないが、個人ユースでは実用上の問題はないだろう。

 最大表示色は1677万色フルカラーで、内部10ビットガンマ補正を備える。いくつかのカラーチャートと色見本で簡単にチェックしたが、発色はほぼ正確だ。黒から白の連続グラデーションでは若干のトーンジャンプが見られたものの、このクラスの液晶ディスプレイとしてはかなり良好である。

 OSD(オンスクリーン設定メニュー)の機能は、これまでのSlimEdgeシリーズからいくつかの項目が省かれている。まず、プリセット画面モードの「FineContrast」がシンプルになり、用意されたモードが「sRGB」、「Custom」、「Text」の3種類となった(従来は「Movie」や「Picture」などもあった)。画質の調整項目も少なくなり、輝度、色温度(5000K/6500K/9300Kの3通り)、RGB個別のゲインという内容だ。

 すべての項目を調整できるのはCustomモードで、sRGBモードは輝度のみ、Textモードは輝度と色温度のみ変更可能だ。機能の削減はコストダウンのためだと思われるが、実際にはこれだけの画面モードと調整項目で十分だろう。

プリセット画面モードの「FineContrast」が「sRGB」、「Custom」、「Text」の3種類となった。Customモードはすべての項目を調整できるが、sRGBモードは輝度のみ、Textモードは輝度と色温度のみ変更できる。モードの切り替えはOSD経由で行う

 プリセット画面モードの「Fine Contrast」は、付属ユーティリティの「ScreenManager Pro for LCD」からも変更できる。同ユーティリティには、任意のアプリケーションとプリセット画面モードを事前に関連付けておくことで、そのアプリケーションが起動すると画面モードを自動的に変更する「Auto Fine Contrast」機能もある。本体のOSDメニューで画面モードを変えるより(S1931では、従来までは液晶ディスプレイ本体にあったモード切替ボタンが省かれている)、Windowsに常駐するScreenManager Pro for LCDを使うほうが手軽だ。

 画面モードと設定は、2系統入力で別々に記憶される。また、SXGA以下の解像度は、常にフルスクリーン表示だ。

 そのほか、輝度を自動調整する「BrightRegulator」を備えている。前面下部に設けられたセンサが周辺の明るさを検出して、最適な輝度に設定する仕組みだ。バックライトの輝度を常時監視し、環境温度や経時変化による輝度の変動を自動的に補正する同社特許技術の調光機能も搭載している。BrightRegulatorは、OSDメニューでオフにすることもできる。

ソツのない仕上がりの安心モデル

 S1931の魅力は、実用面で影響が少ない部分でコストダウンを図り、購入しやすくなったところだろう。OSD機能が少なくなっているとはいえ、基本スペックは十分に高く、画質面でもEIZOクオリティが保たれている。19インチクラスの中では高価な部類だが、幅広い用途、幅広いユーザーに、安心して薦められる液晶ディスプレイだ。

 なお、応答速度は特に求めないという人は、「FlexScan S1921-SH」(価格:オープン、EIZOダイレクト販売価格:6万7800円)も検討するとよいだろう。黒→白→黒が20msでオーバードライブも非搭載だが、輝度が250カンデラ/平方メートルに若干落ちる以外は、静止画の表示品質はS1931とほぼ同等である。スタンドがArcSwing 2でない替わりに、画面の縦回転機能が備わった「ハイトアジャスタブルスタンド」である点も特徴の1つだ(チルト:上30度/スイーベル:左右35度/高さ:100ミリの調節も可能)。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日