液晶ディスプレイBTO「MyStyle 112」のメニューと戦略を探る(1/3 ページ)

ナナオの直販サイト「EIZOダイレクト」において、液晶ディスプレイのBTO直販「MyStyle 112」がスタートした。液晶パネルやスタンドの組み合わせにより、個人向けで84通り、法人向けで112通りのオリジナルモデルを構築できる。メニューの詳細をはじめ、戦略や今後の展開などを紹介していこう。

» 2006年06月08日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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自分好みの液晶ディスプレイを注文できる!

 液晶ディスプレイといえば、これまでは完成品を購入するのが当たり前だった。せいぜい、各メーカーの直販サイトでスタンドの有無が選べるくらいだ(スタンドなしモデルの場合、VESAマウントのアームを組み合わせる)。

 ナナオの直販サイト「EIZOダイレクト」で新たに始まった「MyStyle 112」は、より柔軟なBTOシステムを採用した斬新な販売形態だ。液晶ディスプレイの完成品を構成するパーツを分割し、液晶パネル、スピーカー、スタンド、本体カラーにいくつかの選択肢を設けている。ユーザーは、これらのメニューから好きな構成を選び、オリジナル仕様で購入できるのだ。ユーザーからのオーダーを受けて、ナナオの国内工場で1台ずつ組み立てて出荷される。コンピュータ用のカラー液晶ディスプレイとして、ここまで詳細なBTOシステムを採り入れたのは、ナナオによると世界初の試みであるという(2006年5月時点)。

 ここでは、MyStyle 112のメニューを詳しく解説するとともに、後半ではナナオのキーパーソンに聞いたMyStyle 112の戦略や今後の展開などを紹介する。

構成のポイントは液晶パネル

 MyStyle 112におけるBTOメニューの流れは、(1)画面サイズ、(2)液晶パネル、(3)スピーカー、(4)スタンド、(5)本体カラー、となる。1つ1つじっくり見ていこう。

BTOの流れ

1.パネルサイズを選択

  • 17インチ
  • 19インチ

2.パネル種類の選択

  • 17インチは3種類から
  • 19インチは4種類から

詳細は下記の表を参照

3.スピーカーを選択

  • あり
  • なし

4.スタンドを選択

  • ArcSwing 2スタンド
  • ハイトアジャスタブルスタンド
  • チルトスタンド
  • スタンドなしタイプ

スタンドなしタイプは法人顧客のみ選択可能

5.カラーを選択

  • セレーングレイ
  • ブラック

 (1)の画面サイズは、17インチと19インチのどちらかだ。(2)の液晶パネルとも密接な関連があるので、画面サイズと液晶パネルは一緒に考えるとよい。

 (2)の液晶パネルは、BTOメニューの中では最大のポイントとなる。液晶ディスプレイのスペックや画質は、液晶パネルで大部分が決まってくるからだ。選択肢としては、17インチは3種類、19インチは4種類が用意されている。先日のニュースで取り上げた新モデルの7機種と同じものだ(5月29日の記事を参照)。詳細は下記の表にまとめた通りだが、まずは各パネルの共通項を整理しておこう。

 画面解像度はSXGA(1280×1024ドット)で、SXGA未満の解像度は常にフルスクリーン拡大となる。表面処理は非光沢のノングレアだ。

 インタフェースは、デジタル接続のDVI-Dと、アナログ接続のD-Sub15ピンという2系統だ。それぞれに対応したディスプレイケーブルも付属する。輝度や画面モードといった設定は、入力系統ごとに記憶してくれるため、使いやすい。

 画面モードは、お馴染みとなったFineContrastだ。Text、Custom、sRGBという3種類のモードが用意されている。モード変更はOSDメニューで行う。従来のモデルでは、本体前面のボタンで画面モードをダイレクトに変更できたが、MyStyle 112の液晶パネルでは省略された。このため、付属ユーティリティの「ScreenManager Pro for LCD」を使って、アプリケーションに合わせて画面モードを自動変更するようにしておくと便利だ。OSDメニューやFineContrastについては、先日レビュー記事を掲載した「FlexScan S1931-SA」などと共通なので、詳しくはそちらを参照してほしい。

 では、BTOメニューの選択肢となる7種類の液晶パネルについて、チェックポイントを解説しよう。17インチも19インチも、上位モデルはVA系パネル、下位モデルはTN系パネルだ。さらに、オーバードライブ回路の有無で2モデルずつに分かれる(17インチのTN系パネルはオーバードライブ回路なしのみ)。以上の2点が、選択する上でもっとも重要な部分だ。

 基本的な考え方は、画質重視ならVA系パネル、動画性能重視ならオーバードライブ回路ありのパネルをチョイスしたい。輝度やコントラスト比は、どのパネルも必要十分な値をクリアしている。VA系パネルとTN系パネルの大きな違いは、色の視野角と応答速度だ。TN系パネルは、視点が少しずれただけでも、画面の色が割と大きく変化する。静止画の鑑賞やレタッチには、VA系パネルが向いている。応答速度はTN系パネルが有利なので、動画やゲームがおもな使い方なら、19インチの「S1911」パネルがお勧めだ。

 ちなみに、17インチでVA系パネルの液晶ディスプレイは、市場全体を見渡しても数が少ない。19インチよりも17インチを求める人にとって、この選択肢があるのは非常にうれしいところだ。

17インチ
 
S1731
S1721
S1701
推奨解像度
1280×1024
パネル方式
VA
TN
オーバードライブ回路
視野角(水平/垂直)
178°/178°(コントラスト比10:1時)
160°/160°(コントラスト比10:1時)
輝度
280cd/m2
250cd/m2
300cd/m2
コントラスト比
1500:1
1000:1
応答速度(黒→白→黒)
16ms(中間階調域 8ms)
25ms
5ms
最大表示色
1677万色(10bitガンマ補正機能搭載)
価格 ※
5万4800円
4万9800円
4万1800円
※「チルトスタンド」、「スピーカーなし」の場合

19インチ
 
S1931
S1921
S1911
S1901
推奨解像度
1280×1024
パネル方式
VA
TN
オーバードライブ回路
視野角(水平/垂直)
178°/178°(コントラスト比10:1時)
160°/160°(コントラスト比10:1時)
輝度
280cd/m2
250cd/m2
300cd/m2
コントラスト比
1000:1
700:1
応答速度(黒→白→黒)
16ms(中間階調域8ms)
20ms
6ms(中間階調域2ms)
6ms
最大表示色
1677万色(10bitガンマ補正機能搭載)
1619万色
価格 ※
6万9800円
6万4800円
5万4800円
5万800円
※「チルトスタンド」、「スピーカーなし」の場合


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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日