ナナオの直販サイト「EIZOダイレクト」において、液晶ディスプレイのBTO直販「MyStyle 112」がスタートした。液晶パネルやスタンドの組み合わせにより、個人向けで84通り、法人向けで112通りのオリジナルモデルを構築できる。メニューの詳細をはじめ、戦略や今後の展開などを紹介していこう。
液晶ディスプレイといえば、これまでは完成品を購入するのが当たり前だった。せいぜい、各メーカーの直販サイトでスタンドの有無が選べるくらいだ(スタンドなしモデルの場合、VESAマウントのアームを組み合わせる)。
ナナオの直販サイト「EIZOダイレクト」で新たに始まった「MyStyle 112」は、より柔軟なBTOシステムを採用した斬新な販売形態だ。液晶ディスプレイの完成品を構成するパーツを分割し、液晶パネル、スピーカー、スタンド、本体カラーにいくつかの選択肢を設けている。ユーザーは、これらのメニューから好きな構成を選び、オリジナル仕様で購入できるのだ。ユーザーからのオーダーを受けて、ナナオの国内工場で1台ずつ組み立てて出荷される。コンピュータ用のカラー液晶ディスプレイとして、ここまで詳細なBTOシステムを採り入れたのは、ナナオによると世界初の試みであるという(2006年5月時点)。
ここでは、MyStyle 112のメニューを詳しく解説するとともに、後半ではナナオのキーパーソンに聞いたMyStyle 112の戦略や今後の展開などを紹介する。
MyStyle 112におけるBTOメニューの流れは、(1)画面サイズ、(2)液晶パネル、(3)スピーカー、(4)スタンド、(5)本体カラー、となる。1つ1つじっくり見ていこう。
1.パネルサイズを選択
3.スピーカーを選択
4.スタンドを選択
※スタンドなしタイプは法人顧客のみ選択可能
5.カラーを選択
(1)の画面サイズは、17インチと19インチのどちらかだ。(2)の液晶パネルとも密接な関連があるので、画面サイズと液晶パネルは一緒に考えるとよい。
(2)の液晶パネルは、BTOメニューの中では最大のポイントとなる。液晶ディスプレイのスペックや画質は、液晶パネルで大部分が決まってくるからだ。選択肢としては、17インチは3種類、19インチは4種類が用意されている。先日のニュースで取り上げた新モデルの7機種と同じものだ(5月29日の記事を参照)。詳細は下記の表にまとめた通りだが、まずは各パネルの共通項を整理しておこう。
画面解像度はSXGA(1280×1024ドット)で、SXGA未満の解像度は常にフルスクリーン拡大となる。表面処理は非光沢のノングレアだ。
インタフェースは、デジタル接続のDVI-Dと、アナログ接続のD-Sub15ピンという2系統だ。それぞれに対応したディスプレイケーブルも付属する。輝度や画面モードといった設定は、入力系統ごとに記憶してくれるため、使いやすい。
画面モードは、お馴染みとなったFineContrastだ。Text、Custom、sRGBという3種類のモードが用意されている。モード変更はOSDメニューで行う。従来のモデルでは、本体前面のボタンで画面モードをダイレクトに変更できたが、MyStyle 112の液晶パネルでは省略された。このため、付属ユーティリティの「ScreenManager Pro for LCD」を使って、アプリケーションに合わせて画面モードを自動変更するようにしておくと便利だ。OSDメニューやFineContrastについては、先日レビュー記事を掲載した「FlexScan S1931-SA」などと共通なので、詳しくはそちらを参照してほしい。
では、BTOメニューの選択肢となる7種類の液晶パネルについて、チェックポイントを解説しよう。17インチも19インチも、上位モデルはVA系パネル、下位モデルはTN系パネルだ。さらに、オーバードライブ回路の有無で2モデルずつに分かれる(17インチのTN系パネルはオーバードライブ回路なしのみ)。以上の2点が、選択する上でもっとも重要な部分だ。
基本的な考え方は、画質重視ならVA系パネル、動画性能重視ならオーバードライブ回路ありのパネルをチョイスしたい。輝度やコントラスト比は、どのパネルも必要十分な値をクリアしている。VA系パネルとTN系パネルの大きな違いは、色の視野角と応答速度だ。TN系パネルは、視点が少しずれただけでも、画面の色が割と大きく変化する。静止画の鑑賞やレタッチには、VA系パネルが向いている。応答速度はTN系パネルが有利なので、動画やゲームがおもな使い方なら、19インチの「S1911」パネルがお勧めだ。
ちなみに、17インチでVA系パネルの液晶ディスプレイは、市場全体を見渡しても数が少ない。19インチよりも17インチを求める人にとって、この選択肢があるのは非常にうれしいところだ。
推奨解像度 | |||
---|---|---|---|
パネル方式 | |||
オーバードライブ回路 | |||
視野角(水平/垂直) | |||
輝度 | |||
コントラスト比 | |||
応答速度(黒→白→黒) | |||
最大表示色 | |||
価格 ※ | |||
推奨解像度 | ||||
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パネル方式 | ||||
オーバードライブ回路 | ||||
視野角(水平/垂直) | ||||
輝度 | ||||
コントラスト比 | ||||
応答速度(黒→白→黒) | ||||
最大表示色 | ||||
価格 ※ | ||||
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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日