人気のMPシリーズに縦横台形補正も可能な高機能・高輝度モデル登場――BenQ「MP770」

BenQのDLPプロジェクター・メインストリーム製品である“MP”シリーズに、最上位機種「MP770」が追加された。TIの最新イメージングASIC「DDP3020」を搭載し、色表現力により磨きがかけられたうえ、3200ルーメンという高輝度を実現し、便利な機能も新たに搭載している。

» 2006年06月26日 10時00分 公開
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 低価格ながら、充実した機能と親しみやすいデザインを提供し、本流のビジネスプレゼンテーションのみならず、ホビーユースにも対応可能なBenQのDLPプロジェクター「MP」シリーズが人気を博している。ベーシックモデルの「MP610」に加え、デジタルRGB入力とXGA解像度を実現した「MP620」も登場し、幅広い支持を得た。

今回新たにリリースされた「MP770」は、同シリーズの「MP610」「MP620」とほぼ変わらないコンパクトさ(寸法:298×94×230ミリ、質量:約3キロ)を保ちつつも、新たにシルバーとブラックのツートーン基調へとカラーリングを変更し、タッチパネルにアルミ素材を使うなど、見た目の高級感を向上させた仕上がりになっている。もちろん、パネルはDMDを採用したDLP方式で、解像度は「MP620」と同じXGA(1024×768ピクセル)である。

photo シルバーを主体に、ブラックとのツートーンで彩られたBenQのDLPプロジェクター「MP770」。内容的にも大幅に強化が図られたMPシリーズ最上位モデルである

 さらに機能面へと目を向けると、大幅に強化が図られたといっていい内容だ。というのも「MP770」では、新たにテキサス・インスツルメンツの「DDP3020」を導入し、その恩恵を最大限に活用している。「DDP3020」は、色再現性を向上させるBrilliantColorテクノロジーを提供するほか、2Dキーストーン補正やピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)といった機能も組み込まれたイメージングASICだ。

photo 投写レンズは1〜1.2倍ズームに対応。光源ランプは220ワットで、エコノミーモードであれば3000時間、標準モードでは2000時間まで使用できる
photo 従来どおり、手動でズームおよびフォーカスの調整が可能。48型であれば約1.6〜1.9メートル、300型であれば約10.3〜11.8メートルの距離に設置すればいい(100型なら3.5メートル前後)

 BenQのDLPプロジェクターでは、従来から色表現を高めるために各種の工夫を行っている。「MP610」「MP620」でも、通常のR・G・B+白の4セグメントに黄色を加えた独自のカラーホイール構成をとったうえで、sRGB色空間への対応により色再現性を最適化していた。この点は今回の「MP770」でも変わらない。

 しかし、実はBrilliantColorは、こうしたカラーホイール上のセグメント追加に対して、システムレベルで色信号処理を行うことで支援する役割を果たす。そのため、これまでの構成を生かしつつ、より高い表示能力を引き出せるわけだ。一般には、中間階調の映像における輝度を50%向上し、従来まではDLPではやや不得手とされていた自然の風景映像や人物の肌の色などにおいて、よりリアルで生き生きとした描写が得られるという。

 加えて、事前の映像処理として、同社の液晶ディスプレイで定評のある、独自の画像補正技術「Senseye」も投入された。この段階で適正なカラー調整が施され、DDP3020、DMDへと渡されるため、BrilliantColorの効果をいっそう確かなものにできるうえ、動き補正や、エッジにおけるジャギーの改善、ビデオノイズの低減といった処理も施されるわけだ。

 また、「MP770」では3200ルーメンと、同価格帯製品では最高クラスの輝度を実現した。MP610でも2000ルーメン、MP620は2200ルーメンと十分な輝度を提供していたが、さらに明るい環境でも見やすい映像を投写可能だ。

多彩な機能追加とともに、一新されたスクリーンメニュー

 付属リモコンは、従来のシンプルなカードタイプではなく、多機能なものだ。デザインも本体性能に見合った、高級感のある仕上がりで、持ちやすく、使いやすくなっている。スクリーン上を“指す”ためのレーザーポインタも装備ずみだ。また、オンスクリーンメニューも一新され、「表示メニュー」「ピクチャメニュー」「ソースメニュー」「システム設定:基本」「システム設定:詳細」「情報メニュー」という構成となった。

photo 従来の製品に付属するカードタイプとは異なり、高級な仕上げが施されたリモコン。もちろん、新たに搭載された2Dキーストン、PIPといった機能を容易に操作可能になっている
photo 背面には、リモコン受光部(前面にも装備)、USB端子、RS232コントロールポート、アナログRGB出力(スルー)、アナログRGB入力、DVI-I入力、コンポジット/S映像入力、オーディオ入力/出力を装備している。「MP620」と同様に、別売のワイヤレスモジュール「LinkPro」も利用可能だ

 台形歪み補正を行うキーストン機能は、従来と同じく「表示メニュー」内に用意されている。ただし、前述のとおり、この「MP770」では水平方向への補正が追加され、2Dキーストン補正が可能である。つまり、本体を上下に傾けて設置した場合だけでなく、スクリーンに対して、斜め右、斜め左に設置せざるをえない際にも、投写画像を正しい形状に近づけられるわけだ。

photo 本体の上部後方に装備されているボタンは、「MP610」「MP620」とほぼ同じだが、キーストン操作用のアイコンが追加されている

 補正の操作には、リモコンあるいは本体のカーソルボタンを利用する。スクリーン上に、各カーソルに台形アイコンが添えられたキーストン操作パネルが表示されるので、投写されている画面の形状に近い台形がついているカーソルを押していけばいい。垂直方向へは各40度、水平方向へは各20度の範囲内で調整が可能だ。

使い方によっては効果的に活用できる、プロジェクターでのPIP

 新たに搭載されたPIP機能も同じく、「表示メニュー」内から呼び出せる。これはPC映像入力(デジタルRGB、またはアナログRGB)を主画面、ビデオ映像入力(S/コンポジット)を子画面として重ねられるものだ。PIP設定では機能のオン/オフ、表示位置(左上/右上/左下/右下の四隅)、サイズ(大/小の2段階)の選択のほか、子画面の彩度や色相を独立して調整可能だ。子画面は「大」であれば主画面の3.5分の1、「小」では5分の1程度のサイズで表示される。

 PIPの用途といえば、直視型ディスプレイでは「作業をしながらニュースなどのテレビ映像を観る」といった使い方が多いのだが、プロジェクターの場合はあまりピンとこないかもしれない。それでも、使い方次第でいろいろと面白いことができそうだ。たとえば、最もPIPが不要と思われがちなビジネスプレゼンテーションにおいても、あらかじめ書類にPIPを想定した余白を空けておき、PCの画面上で説明を進めつつ、子画面に関連したビデオ映像をずっと流しておくといった手も考えられる。

 もちろん、書類上に動画を貼り付けても同じわけだが、プレゼンテーションの進行と関係なく、ずっと映像を流したままにできる点、あるいは、ビデオの取り込みが不要な点が便利だと感じる人もいるだろう。

 同様に、「My Screen」も使いようによっては面白いというか、効果的な演出も可能な機能だ。これはプロジェクターの起動画面を、ユーザーが用意した映像に変更するもの。企業ロゴ、あるいは場を和ませる写真などを入れておけば、起動時の間をもたせるのに役立ってくれるだろう。

 具体的には、リモコンに新たに装備された「Capture」ボタンを押せば(「システム設定:基本」のメニューからMy Screenを実行してもいい)、表示中の画面を本体内のメモリへとキャプチャしてくれる。PC上で表示できる画像だけでなく、ビデオ入力した映像からでもいい。あとは、「システム設定:基本」の「起動画面」項目を、「BenQ」から「My Screen」へと変更するだけだ(ほかに、黒、青のブランク画面も選択可)。

 また、この「MP770」では撤収作業もより素早く行える。「MP610」「MP620」で実現された30秒でのクイッククーリングに加え、新たに「Off&Go」機能を導入した。30秒すら待つ必要なく、使用後すぐに電源コードを抜いてしまっても、プロジェクター本体やランプにダメージを与えることのない機構となっている。

 シリーズ最上位機種として登場した「MP770」は、一見すると、ほかのモデルと大差ないようだが、内部的にはかなりの機能拡張を遂げた。基本性能である表示映像の品質向上はもちろん、2Dキーストン補正による斜め方向からの投写への対応や、PIP、My Screen、Off&Goと、実用的な機能の数々が満載されている。もちろん、これまでどおり、「MP610」「MP620」の魅力も薄れてはいない。MPシリーズの選択肢が増えたことで、これまで以上に、幅広い層からの支持を得るに違いない。

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提供:ベンキュー ジャパン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日