G'zOneを船で使う、となるとまずチェックしなければならないのが「電子コンパスを使ってクロスベアリング」となる。ITmediaなのにあえてこの記事をクリックしている「スキッパー」ならご存知だと思うが、クロスベアリングとはコンパスを使って自分の位置を求める手法の1つで、灯台や山頂など地図(海図)に描かれていて位置が分かっている目標の方位を2つ以上(できれば3つ)ハンドコンパスで測定し、それぞれの位置からの方位線を海図に記入して自分の場所をプロットする作業だ。それ以外でも接近してくる他船の方位変化をハンドコンパスで継続して測定することで衝突の危険があるかチェックしたりと、コンパスで方位を測定するという行為は船に乗るものにとって非常に重要な技であったりする。
G'zOne W42CAに実装された電子コンパスはTYPE-Rと同様に地磁気センサーを用いており、その精度は「1度」単位まで表示する。メインの画面以外にマルチサークルディスプレイに表示される仕様もTYPE-Rと同じだ。ダイヤルキーがある下ケース側のボディを水平にして方位を測定するため、そのスタイルが「ディスプレイ側の上ケースを直角にし、G'zOne W42CA本体を頬にあてて、方位目標を正確に照準すべし」という“方位測定フォーム”なのはTYPE-Rを取り上げたこの連載で紹介した通りだ。
ところがなんたることか、このとき一緒に紹介したアクティブプロテクターと自作の矢印シールを組み合わせる「測的目標捕捉照準」は、G'zOne W42CAでアクティブプロテクターが廃止されてしまったために使えなくなってしまった。照準器がなくともそれなりに方位は測れるが、せっかく1度単位で方位が表示されるコンパスである。できるものなら正確にコンパスを目標に向けたい。
という事情から、G'zOne W42CAでもコンパスのために「ひと工夫」を加えてみる。具体的には「テグス(釣り糸)を使ってアクティブプロテクターの代用品を自作する」作業となる。
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