ダビングOKの地デジ+HD DVD-ROM搭載ノート──富士通「FMV BIBLO NX95S/D」新世代光学ドライブ搭載ノート連続レビュー第2回(1/4 ページ)

» 2006年07月31日 09時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
HD DVD-ROMドライブを搭載した富士通の最上位AVノートPC「FMV-BIBLO NX95S/D」

 BIBLO NXシリーズは2004年冬モデルからラインアップに追加された17インチワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCだ。6世代めとなる2006年夏モデルの最上位モデル「NX95S/D」は基本スタイルをそのままに、ハイビジョン映像を楽しむための2つのキーデバイス「地上波デジタルチューナー」「HD DVD-ROMドライブ」を搭載する。

 CPUにIntel Core Duo T2500(動作クロック2GHz)、チップセットにIntel 945PM Express、グラフィックスチップにMobility Radeon X1400(ビデオメモリ128Mバイト)が搭載される。メモリは1GバイトのDDR2メモリをデュアルチャネルで搭載し、HDDは160Gバイトを2台、計320Gバイトという大容量を誇る。CPUこそ最上位モデルでないが、ノートPCとしてはこれ以上望めないスペックといえるだろう。

 NX95S/Dの液晶ディスプレイは初代から引き続いて解像度1440×900ドットを表示する17インチワイドのパネルを採用。地上デジタルチューナーに加えて地上アナログチューナーも搭載して2番組同時録画をサポートする。「HD DVD-ROM」ドライブの搭載によって、すでに市販が開始されているHD DVDビデオディスクの再生に加え、すべてのレコーダブルDVD、もしくはCDメディアの読み書きに対応するDVDスーパーマルチ機能も兼ね備えている。

 サイズは403×295×45.5ミリ、重量は約4.8キロと5キロに迫る重さ。ただ、ディスプレイサイズが大きい以上、本体のサイズが大きくなるのは必然でもあるし、競合製品と大きく変わらない。基本的に屋内で移動できて使わないときは片付けられる可搬性を持たせれば十分なのである。

「なにはともあれPC」というBIBLOらしいスタンダードなデザイン

17インチワイド液晶ディスプレイを搭載する筐体サイズはテンキーの搭載を可能にする

 NXシリーズはハイエンド“AV”ノートであり、2005年夏モデルからはモノトーンに近いグレーとシルバーのツートンカラーでAV機器的な存在感を持たせようとしている。それでも「これはノートPCなのだ」と思えるのは、PCとしての使い勝手にたいする配慮が優先されているからだ。

 筐体の横幅を生かしてキーボードにはテンキーを装備する。デスクトップPC向けのキーボードでよく見られる配置でキーピッチも十分に確保されている。数少ない地上デジタル放送対応のノートPCでありながら、表計算ソフトなどのビジネス的な利用も想定している。テンキー搭載のトレードオフとしてタッチパッドを左寄りに配置するなどデザイン的にはマイナス材料ともなるわけだが、あくまでPCとしての使い勝手を考慮した、ということだろう。スクローラとしても利用できる指紋センサーも実装するなど、「AV機能を意識していてもこれはPCなのだ」という意識を捨てていない。Qosmio G30と対照的とも言えるスタンスであることは間違いない。

 拡張ポート類は利用頻度が高いであろうUSBポートが右側面に1つ、背面に4つ。ストレージやプリンタなど頻繁にケーブルを抜き差ししないデバイスが背面に、デジカメやメモリプレーヤーなど抜き差しするデバイスのインタフェースが側面といった使い分けになる。左側面にはHD DVD-ROMドライブ、右側面にはPCカードスロットやメモリカードスロットを装備するが、端子類がこれらより前方には配置されていないあたり、富士通はユーザーの使い勝手をよく心得ている(ドライブやカードスロットより手前にケーブルがあったら邪魔になること請け合いである)。

 背面にはアナログRGB出力に加えてビデオ出力用のS端子とD2対応のD端子を備えるが、ビデオ出力に関してはいずれもHD非対応である。おそらくは地上デジタル放送に非対応だった旧モデルをベースにしている都合もあるのだろうが、地上デジタル放送とHD DVDビデオディスクという2つのHD映像をハンドリングできる製品としては不満が残る。本機を大型TVにつないでHD映像を楽しむことは少ないと思うが、現時点ではHD DVDビデオプレイヤーも高価であることから、始めてのハイビジョンレコーダーとしてNX95S/Dを購入するユーザーも多いだろう。現時点の状況を考えていわせてもらえば、せめてD端子をD3/D4対応として欲しかった。

B-CASカードスロットは正面に設けられている。背面にはSビデオ出力に有線LAN、USB 2.0、D1/D2出力、RGB、モデムが用意されている

左側面にはHD DVD-ROMドライブに地上デジタル/アナログチューナーユニットに付随するビデオ、音声の入出力インタフェースが並び、右側面にはPCカード(TYPEII対応)にExpressCard、メディアカード(SDメモリーカード、メモリースティック、xDピクチャーカード)の各スロットとIEEEE 1394、USB 2.0が用意されている

底面からメモリスロットとHDDベイにアクセス可能。サブウーファーも底面に設置されている
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー