ソリッドアライアンスが、イタリア在住のインダストリアルデザイナー Toshi Satoji氏と、出会った……。
SushiDisk、エビフライ、お化け探知機、そして最近はこんな方向にも突っ走る“あの”ソリッドアライアンスが、なんだかすごい人に出会い、すごいことを計画中だという。
「いやぁ、すごいことやろうとしているんですよ。イタリアとのコラボっすよ(意味不明)。で、イタリア在住のデザイナー“Toshi Satoji”さんが、たまたまバカンスで日本に戻ってきているので来てよ」
「え、あの、は?」
「(ガチャッ)」
「……」
有無を言わさず一方的に話され、現代人らしいコミュニケーションも一切遮蔽されたわけだが、何かをやろうと興奮していたのは分かった。ソリッドアライアンスならそれで十分だ。
汗だくになりながら到着したソリッドアライアンスのオフィス(同社は新横浜にあり、東京在住の筆者にとってはちょっと遠い場所にある)に訪れると、同社専務の越田憲治氏とToshi Satoji氏がいた。
「PCの周辺機器って、なんだか“おもしろくない”ですよね」──開口一番、越田氏が発した言葉がそれだった。
ソリッドアライアンスはUSBメモリを軸にした、上記のようなPC周辺機器を多くリリースする企業。スシやえびふりゃあは十分おもしろいのだが、そうではない。よくある一般的なPC周辺機器について述べているらしい。読者の身の回りにあるであろう一般的なUSBメモリやUSBハブ、マウス、外付けのドライブ、PC用スピーカーなどだ、とのこと。
「えと、、こういう製品はおもしろいか否かではなく、便利か否か、あるいは自分にとって必要か否かで考えるものなのでは……」やっと普通の会話ができた。
「そこです! そんな概念をすべて覆してしまおうということなのです」(越田氏、以下敬称略)
「テーマは、“すべてが逆”です。ふふふ」(Toshi Satoji氏、以下敬称略)
……訳が分からない。なんだか気が遠くなってきた。
Toshi Satoji氏は、イタリア・ミラノでToshi Satoji Designを設立し、Istituto Europeo de Design ミラノ校のインダストリアルデザイン科の講師も務めるデザイナー。2005年10月に開催した「WPC EXPO 2005」の富士通ブースに出展された家具調PC「Side Table Terminal」、富士通製の初期型FOMA端末「F2102V」を手がけたことでも知られる。
「私、前から思っていたんです。USBメモリは確かに便利な機器ですが、それに大切な“思い出”をずっと残しておけますか、と。例えばデートや旅行、結婚式などの記念として写真を撮りますよね。その写真データはどうしていますか」(Toshi Satoji氏)
USBメモリは、PCのUSBポートに接続するだけでストレージとして認識するため、気軽にデータのやりとりできる特徴を持つ機器だ。“思い出”のデジカメ写真データは主にHDDに残し、かつCD-Rなどのほかのメディアにもバックアップ。さらにプリントしアルバム化するなどの方法をとる。確かにUSBメモリへは誰かにデータを渡す時などの場合に一時的に用いるだけで、すぐ消去/上書きするような使い方をする。
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