キヤノン、PIXUSシリーズをフルモデルチェンジ──複合機は全5モデル今年のテーマは“洗練”です

» 2006年09月26日 13時00分 公開
[ITmedia]

昨年に引き続き複合機を強化

 キヤノンが新たに投入したインクジェットプリンタ全11モデルは、“洗練”をテーマに引き続き複合機のラインアップ強化をしつつ、小型フォトプリンタで新ブランドの「mini」を発表したのが特徴だ。なお、デザインについては従来の「SUPER PHOTO BOX」を継承しつつ、よりスリム化を実現するなどしてブラッシュアップが図られている。

 2006年モデルの大きなポイントは、新しいユーザーインタフェース「Easy-Scroll Wheel」の採用、フォトスピードのアップ、コピー性能のブラッシュアップがあげられる。

 Easy-Scroll Wheelは、前面中央に用意されたホイールのことで、必要な機能をこのホイールで選び、中央のOKボタンで決定というスタイルをとる。全ボタン数を極力少なくして、直感的な操作を可能にするものだ。

 フォトスピードのアップは、これまでの1ピコリットル/5ピコリットルのインク滴に加え2ピコリットルの吐出を実現にした「3サイズドロップレットテクノロジー」によるパス数の減少、排紙時にもモーターを使った「ダブルエンコーダシステム」、カラーノズルの長さを2倍(0.43インチ)にしたことで、L判フチなし印刷が最上位のMP960で約29秒(昨年最上位のMP950は約39秒)、人気を博したMP500が約42秒だったのに対し、その後継機MP600では約24秒、上位機のMP810にいたっては18秒(昨年の同等機MP800が約32秒)と高速化を実現している。なお、サービス面では今年のモデルからプリンタも含めて全モデルが、同社の無料オンラインサービス「CANON iMAGE GATEWAY」に登録可能になったのがトピックだ。

 対応OSは全モデルでWindows XPとMac OS Xをサポートし、一部のモデルではWindows 2000や98SE/Meでも動作する。各モデルの主なスペックと予想実売価格は以下の通り。

複合機は全5モデルの陣容

 昨年から今年にかけて、2万円強の手ごろな価格で大ヒットを飛ばしたMP500の後継となる「MP600」を中心に、複合機は全5モデルの陣容だ。なお、既発のADF付き複合機MP830は併売される見込み。最上位のMP960は広視野角の3.5インチ大型液晶を搭載するほか、デザイン面でも差別化がなされている。

左から最上位のPIXUS MP960、MP810、MP600

こちらは4色モデルのMP510、MP460だ

複合機のラインアップ
モデル名 MP960 MP810 MP600 MP510 MP460
インク 7色(顔料Bk) 5色(顔料Bk) 5色(顔料Bk) 4色(顔料Bk) 4色(顔料Bk)
最小インク滴 1ピコ 1ピコ 1ピコ 2ピコ 2ピコ
L判最速印刷 29秒 18秒 24秒 40秒 43秒
スキャナ 4800×4800dpi(CCD) 4800×4800dpi(CCD 2400×4800dpi(CIS) 1200×2400dpi(CIS) 1200×2400dpi(CIS)
液晶 3.5インチ 3.0インチ 2.5インチ 1.9インチ 1.9インチ
Easy-Scroll Wheel × ×
ネガ・ポジスキャン 12コマ 6コマ × × ×
メモリカードリーダ
有線LAN × × × × ×
無線LAN × × × × ×
2Way給紙 ×
自動両面印刷 × ×
予想実売価格 4万5000円前後 3万6000円前後 2万8000円前後 2万3000円前後 1万6000円前後

単機能/ダイレクトは全4モデル

 単機能/ダイレクトモデルは4製品が新登場。そのうち3モデルが実売2万円以下と手ごろな価格で提供される。その半面、新ユーザーインタフェース「Easy-Scroll Wheel」の導入が見送られている。なお、昨年発売されたiP7500は併売される見込み。

こちらは単機能プリンタで、左から上位機のiP6700D、iP4300、iP3300、iP1700となる

単機能プリンタのラインアップ
モデル名 iP6700D iP4300 iP3300 iP1700
インク 染料6色 5色(顔料Bk) 4色(顔料Bk) 4色(顔料Bk)
最小インク滴 1ピコ 1ピコ 2ピコ 2ピコ
L判最速印刷 39秒 32秒 40秒 46秒
最大印刷解像度 9600×2400dpi 9600×2400dpi 4800×1200dpi 4800×1200dpi
液晶 3.5インチ × × ×
メモリカードリーダ × × ×
PictBridge ×
2Way給紙 ×
自動両面印刷 × ×
予想実売価格 3万円前後 1万8000円前後 1万3000円前後 1万円前後

小型フォトプリンタで新ブランドの「mini」を投入

 携帯性を重視した小型フォトプリンタでは、これまで熱昇華型印刷方式を採用したSELPHYシリーズに加えて、インクジェット方式の新ブランド「mini」を2モデル発表したのが目を引く。ともに2.5インチの液晶ディスプレイを搭載するほか、上位機のmini 260には4色染料の新インクタンク(最小1ピコリットル)を内蔵し、6色モデルに迫るフォトクオリティーを実現しているという。また、モバイル向けのPIXUS iP90は併売される。

新たに登場したminiブランドのうち、左が上位機のmini 260で右がmini 220だ
小型フォトプリンタのラインアップ
モデル名 mini 260 mini 220
インク 染料4色 染料3色
最小インク滴 1ピコ 2ピコ
最大印刷解像度 9600×2400dpi 4800×1200dpi
液晶 2.5インチ 2.5インチ
Easy-Scroll Wheel ×
L判最速印刷速度 43秒 42秒
メモリカードリーダ ×
バッテリー オプション対応 ×
予想実売価格 2万円前後 1万6000円前後

 なお、今年の新モデルでは無線LAN/有線LAN機能を標準搭載したものはなく、ネットワークに接続したい場合は別途キヤノン イメージング システム テクノロジーズのプリントサーバNetHawk WP100(希望小売価格1万9800円)などを別途購入する必要がある。ちなみに、NetHawk WP100は新ファームウェアでAOSSをサポートし、より導入しやすくなったのがポイントだ。

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