地上/BS/110度CS+BDドライブが選べる液晶一体型PC――NEC「VALUESTAR G タイプW」ダイレクトPC最前線(1/2 ページ)

» 2006年10月10日 08時00分 公開
[南里純一&ダイレクトPC取材班,ITmedia]

 NECの液晶一体型PCは、「VALUESTAR W」と「VALUESTAR S」の2つのシリーズが用意されている。このうちVALUESTAR Wは、デジタル放送の視聴・録画に対応する上位機種という位置付けだ。この秋冬モデルは、6モデルすべてが地上デジタル放送の視聴・録画に対応し、2モデルにBlu-ray Discドライブを初めて採用した点が見所になる。また、液晶ディスプレイの新たな選択肢として、スクエアタイプの17インチ液晶(1280×1024ドット表示)が追加され、既存の20インチワイド液晶(1360×768ドット)、32インチワイド液晶(1360×768ドット)と合わせ、合計3種類の画面サイズを選べるようになった。

 今回は、店頭販売のVALUESTAR Wとは一部異なる仕様で購入できる直販モデル「VALUESTAR G タイプW」に注目した。内部パーツの拡張性が限られる液晶一体型PCということもあり、BTOメニューの充実度はそれほど高くないが、CPUやメモリ、HDD、光学ドライブなどの主要なパーツを希望通りのスペックに構成できるのは魅力だ。

録画したデジタル放送をBD-REにムーブ可能

デジタル放送対応の「VALUESTAR G タイプW」。今回は32インチ液晶パネルを搭載した構成で試用した

 TV機能は、選択する画面サイズによって仕様が異なる。32インチワイド液晶と20インチワイド液晶を選んだ場合は地上/BS/110度CSデジタル放送に対応するが、17インチ液晶を選ぶと地上デジタル放送のみの対応になる点は注意したい。いずれも地上アナログTVチューナーを搭載しており、デジタル放送とアナログ放送の同時録画が可能だが、17インチ液晶選択時は、地上アナログ放送のゴースト低減機能やD4入力端子が省かれる。

 デジタル放送の視聴・録画は、専用ソフトのSmartVisionもしくはAV統合ソフトのMediaGarageで行う。デジタル放送の視聴用にハードウェアデコーダを搭載しているため、CPUへの負荷は比較的少ない。デジタル放送は全画面表示だけでなく、アナログ放送のようにウィンドウ表示も行えるので、Webブラウザやオフィスアプリケーションを利用しながら視聴することも可能だ。また「ぱっと観テレビ」機能により、電源ボタンを押してから約2秒ほどで画面にTV映像が表示されるなど、デジタル放送の利便性を高める工夫が施されている。なお、17インチ液晶は画面のアスペクト比が5:4のスクエアタイプだが、ワイド映像の左右をカットして全画面表示を行うことが可能だ。

 注目のBlu-ray Discドライブは、20インチワイド液晶もしくは32インチワイド液晶を選択した際に搭載できる。ハードディスクに録画したデジタル放送の映像は、SmartVisionのメニュー画面からBD-REメディアにハイビジョンの解像度を落とすことなくムーブすることが可能だ。地上デジタル放送のBD-REメディアへの記録時間は、容量25Gバイトの1層メディアで約3.5時間、容量50Gバイトの2層メディアで約7時間となっている。Blu-ray Discドライブはもちろん、DVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブとしても利用できるので、実用性に関しても問題ない。ただし、チップセットのIntel 945G Expressに内蔵されたグラフィックス機能を利用していることもあり、市販のBD-ROMディスクの再生には非対応だ。また、17インチ液晶とBlu-rayディスクドライブは同時に選択できないので注意したい。その場合、光学ドライブはDVDスーパーマルチに限定される。

左側面にはネットワーク端子や音声端子が用意されている。左奥のフタを外すと、B-CASカードスロットやデジタル放送のアンテナ端子が現れる仕組みだ(写真=左)。右側面には2つのUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、丸形の光デジタル音声出力、PCカードスロット(TypeII×2)が並ぶ(写真=右)。Blu-rayディスクドライブは前面右側に搭載されている(写真=右)

液晶パネルは画面サイズで表面処理や駆動方式が異なる

32インチワイド液晶と20インチワイド液晶の解像度は1360×768ドットだ(写真は32インチワイド液晶)。17インチ液晶は1280×1024ドット表示となる

 基本スペックは各モデルともほぼ共通で、チップセットはグラフィックス機能を内蔵したIntel 945G Expressを採用する。拡張スロットは装備しておらず、グラフィックスカードが増設できないので、Windows Vistaの導入を見据えるとやや心許ない。CPUは、Pentium 4 524(3.06GHz)のほか、17インチ液晶搭載時にCeloron D 352(3.20GHz)、20インチワイド液晶搭載時にPentium D 820(2.80GHz)が選べる。さらに、Blu-ray Discドライブと32インチワイド液晶を同時に選択した場合のみ、CPUがPentium D 945(3.40GHz)に固定される。PC2-4200を採用するメインメモリは最大2Gバイト(1Gバイト×2)まで選択可能だ。HDDは250Gバイト以上で、20インチワイド/32インチワイド液晶搭載時は、RAID 0構成で800Gバイト(400GバイトHDD×2)の大容量を選ぶことができる。

 液晶パネルは、画面サイズによって解像度以外の仕様も異なる。32インチワイド液晶は高輝度デジタル液晶(非光沢/IPS方式)、20インチワイド液晶は色再現域が広いスーパーシャインビューEX2液晶(光沢/IPS方式)、17インチ液晶はスーパーシャインビューEX液晶(光沢/TN方式)だ。今回は32インチワイド液晶搭載のモデルを試用したが、輝度や発色、動画再生の追従性などで不満なかった。

 OSはWindows XP Media Center Edition 2005を採用しており、Windows XP Home Editionなどは選択できない。Windows XP Media Center Edition 2005標準の動画/音楽配信サービス「メディアオンライン」が利用できるほか、付属のリモコンには10フィートUIの「メディアセンター」を起動するボタンが用意されている。

液晶パネル部後方のPC本体部の上面に2基のメモリスロットがある(写真=左)。背面のカバーを外すと内部にアクセスできる。左上にCPU、左下に5インチベイ、右下にサブウーファが搭載されている(写真=中央)。リモコンは、青い「ホーム」ボタンを押すとMediaGarage、緑色の「スタート」ボタンを押すとメディアセンターが起動する(写真=右)
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