あぷあぷ秋葉原店がPC本体や各種パーツのジャンク品を大量に入荷し、先週末の土日限定でジャンク市を開催した。店頭のPOPで掲げるように、同ショップ恒例のキャンペーンだが、最近はほとんど開かれていなかった。
扱っていたジャンク品は、2〜3年前のA4ノートと1〜2年前のPCパーツが中心。マザーボードではLGA775対応のATXタイプが2000円前後の値がつけられており、「パーツ取りではなく、そのまま動くものも混ざっています」とのこと。
久しぶりのジャンク市とあって、同ショップの店員さんも意気揚々だったが、言葉の節々に苦労が見え隠れする。何気なく語った「最近急に、アキバでジャンク品が扱いにくくなりましたよ」との発言が象徴的だ。
同ショップによると、最近になってジャンク品を入荷する機会がめっきり減っているという。1年以上前までは不定期ながら月イチペースで大手メーカーから卸されたジャンク品を大量に入荷していたが、同ショップによると「ジャンク品も商品を確保して市場に流す流通ルートが確立されているのですが、最近はアジア系の業者が台頭してきたため、アキバにジャンク品がとどまらず、いきなり海外に流れてしまうんです」とのこと。
1年前、別のジャンクショップで「ジャンク品が大量に入荷すると、まとめ買いする外国人がほぼ必ず現れます。個人輸出のカタチをとって、中国で販売するようです」との裏話を聞いた。日本は物価が高いが、新しい製品がハイペースで流通するので、中古やジャンク品の価格は下落しやすい。世界的に見てもPCパーツが割安で入手できるのだ。このように海外から見ればオイシイ市場のため、経済力のある中国系の業者が狙いをつけるのも無理はないように思える。
さらに、ジャンク品を売るうえで、問題がもう1つある。「従来は路上にまで商品を広げて営業していましたが、今年の夏頃から急に警察と千代田区の規制が厳しくなりました。今では、少しでも道路にはみ出ると、すぐに行政の注意を受けます」(あぷあぷ秋葉原店)。
今回ジャンク市をショップの2階で開催したのも、集まった人達が路上を埋めないようにするためだという。「路上に張り出して販売していた頃は人だかりを見て何となく立ち寄ってくれる人がたくさんいましたが、2階での開催となるとコアな人だけになりそうで、少し寂しいです」(同ショップ)
とはいえ、ただ従順に従っているだけはない様子。とあるショップは「たしかに最近は商品の張り出しには気をつけています。ただ、行政が休む土日は、今まで以上に派手にやっていますよ。平日と週末では、アキバの様子は全然違いますから」と笑った。
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