グッドデザイン受賞製品にみるBenQの“デザインへのこだわり”

プロダクトにおけるデザインの重要性は高い。世界各国のさまざまなデザインアワードで評価され、受賞しているBenQ製品の“デザインへのこだわり”を、今年のグッドデザイン受賞製品から探ってみた。

» 2006年10月31日 10時00分 公開
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 製品には必ず、「デザイン」がともなうものだ。アートのように美しいか美しくないかを追求するのではなく、大雑把に言えば製品としての意図を指すわけであるが、その意図が明確かつ徹底的に追求されていれば、必然的に美しさをも兼ね備えることになるのだろう。

 製品のデザインには、「何にどのように使わせるのか」という根本的な点に加え、そのために最適な構造・形状の実現や、利用者への使い方の伝達などが含まれる。さらには、快適に使えるかどうかということも重要な要素だろう。

 いうまでもなく、製品におけるデザインの重要性は高く、その伝播や研鑽を図るべく、さまざまなデザインアワードが各国で設けられている。国内で最も有名なのは「グッドデザイン賞」だろう。旧通商産業省が設立した「グッドデザイン商品選定制度」を礎とし、現在では財団法人日本産業デザイン振興会が主催する一大イベントであり、今年で50周年を迎えた。これまでにグッドデザイン賞、すなわち「Gマーク」を与えられた商品やサービス、事業は3万件以上にのぼるという。

世界各国のデザインアワードで受賞しているBenQの製品デザイン

 ワールドワイドで商品展開を行っているベンキューコーポレーション(BenQ)では、2002年度にはドイツのiF(International Forum)、北米工業デザイナー協会が主催するIDEA(Industrial Design Excellence Awards)の各デザイン賞へと出品し、合計で3つの賞を獲得。これを皮切りに、ヨーロッパでは最も歴史のあるred dot(ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター主催)をはじめ、毎年数多くのデザイン賞を得ており、これまでの受賞製品は計162点に及ぶ。

 こうしたデザイン分野での躍進には、同社が“世界的なブランドとなるためには、デザインへのこだわりが必須”と判断し、2002年に社内へ設立された「ライフスタイル・デザイン・センター」の存在が大きく貢献している。この部門には約70人のデザイナーが所属し、“楽しく豊かな生活をデザイン”すべく活動中だ。

 さらに、近年はヨーロッパや北米のみならず、日本での販売活動も本格化したことを受け、2004年からはグッドデザイン賞にも参加しており、今年を含む3年で29個の賞を獲得した。

 10月2日に最終結果が発表された「2006年度グッドデザイン賞」では、商品デザイン部門において、携帯電話「EF71」「EF51」「E61」「EF81」、デジタルスチルカメラ「DC C740」「DC X720」、ノートPC「T31」、ポータブルデジタルストレージ「DP213」と、BenQの8製品が受賞。さらに、同社傘下のDarfonからもPDA用ポータブルキーボード「G950」が選ばれているため、BenQブランドでの受賞は9製品となる。

photo 「2006年度グッドデザイン賞」受賞の9作品

 いずれも海外で展開されている製品で、残念ながら日本では未発売なのだが、ここでは参考のためいくつかの受賞製品をピックアップし、簡単に紹介しておこう。

異なる素材のハーモニーで独特の表面質感と触感が与えられた「EF81」

 携帯電話「EF81」は、本体サイズ94×51×15.9ミリ、質量110グラムという小型軽量筐体を実現した製品である。折り畳み時15.9ミリという薄さは、“スリムケータイ”をうたう多くの国内製品と比較しても、まったく遜色ないものだが、今回の授賞ではそればかりでなく、独創的な表面質感が評価された。

photophoto 独特の表面質感と触感の携帯電話「EF81」

 審査員のコメントでも「ステンレスとマグネシウム、さらにブラックアルマイトという異なる質感の組み合わせは、視覚的効果と触覚的効果を狙った特徴ある薄厚筐体デザイン」と記されているとおり、見た目の美しさだけでなく、独特の手触りが印象的だ。さらに、サブスクリーンの保護カバーとして用いられている、硬質で透明度に優れたサファイアガラスとも調和している。

 ほかに、ユーザーインタフェースの面では、すっきりとまとめられた「ファンクションキーの新しい配置の採用」も評価のポイントとなった。

上部に配置されたコントロールボタンで、快適な音楽再生環境を提供する「E61」

 「E61」は、音楽再生機能を重視した携帯電話だ。この製品はグッドデザイン賞だけでなく、red dotやiFでもデザイン賞を獲得した。本体サイズは101×44×17ミリで、クラシカルバー形状(いわゆるストレートタイプ)を採用するとともに、88グラムという軽量ボディを実現している。

 最も特徴的なのは、本体の上部に配された、再生/一時停止、前後スキップ、音量(+/−)という5つのボタンだろう。これらの“ミュージックキー”を上部へ配置したことにより、衣服のポケットに入れたままでも隠れることなく、音楽再生時のすべての操作が可能になっている。

photophoto 快適な音楽再生環境を提供する携帯電話「E61」

 審査員からも、「製品上部に新しいインタフェースを持ってきているレイアウトが斬新で、意欲を感じる。ボディー上面に5つのショートカットキーをレイアウトすることで、ポケットに挿入した状態で可能な操作性と独自性とを感じさせるフレッシュデザインを表現」という評価を受けた。

 また背面のカメラ部では、レンズの周囲にリング状のパーツが置かれ、そこへスピーカーのための溝が彫られている。実はこれが全体で、レコードプレーヤーを思わせるような趣向になっており、デザイナーの遊び心が感じられる。

高性能を0.4ミリ厚のステンレスケースで包み込んだ「DC X720」

 デジタルカメラ「DC X720」は、12.5ミリの薄型ボディに、1/2.5インチCCD(700万画素)、光学3倍のズームレンズ、2.5型液晶画面を搭載した製品で、今回のグッドデザイン賞受賞に加え、2006 iF China Design Awardsでは最優秀賞に選出されている。

 本体のデザインコンセプトは「ハーモニー(調和)」で、表面材質に薄さ0.4ミリのステンレスケースを採用するとともに、ラウンドフォルムを与えることで、上品さと力強さの両面を表現したという。

photophoto 上品さと力強さを表現したデジタルカメラ「DC X720」

 審査員には「全周に回したステンレス製パーツによって、うまくスリム感を表現している」と本体デザインの優れた点が受け入れられたとともに、「回転式のインタフェースデザインもユニークで好感が持てる」と使い勝手の面でも評価を得ている。


 グローバルな活動を積み重ねてきたBenQでは、その経験を製品デザインにも反映している。前述のライフスタイル・デザイン・センターでは、西洋のモダンな設計様式のみをベースとするのではなく、東洋の文化や哲学、工芸技術などの要素も加味し、独自のデザイン体系が構築されつつあるという。もちろん、ユーザーの使い勝手も、重要な要素として尊重している。

 BenQによると、ミニマリズムとラグジャリーの融合、東洋と西洋の融合というように常に相反するものの融合によって新しいデザインを生み出しているのだという。

 「日本人には日本人向けのデザインが必要」という考え方にも一理あるが、特定の国や人だけを対象とするのではなく、「万人のための製品」が実現できるのであれば、それに越したことはない。BenQには今後も、そうした真の意味でのユニバーサルデザインの実現を目指してほしいと思う。

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提供:ベンキュージャパン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年11月30日