最新「MacBook Pro」の本当の意味(3/4 ページ)

» 2006年11月06日 13時40分 公開
[林信行,ITmedia]

インタフェース周りや外観にも改善の跡

 プロユーザーを喜ばせるのは、CPUの変更だけではない。搭載メモリ容量が最大3GバイトとなりiMacに並んだこと。これに加えて、容量200Gバイト(4800rpm)の大容量モデルや容量は100Gバイトだが7200rpmの高速モデル、160Gバイト/5400rpmのバランスモデルの3種類が選択可能になったこと。そしてUSB 2.0を上回る高速インタフェースとして定着しつつあるFireWire 800が15インチモデルにも搭載されたこと(これがなくなったことは前モデルの欠点だった)。また、SuperDriveも堅牢性と美観を両立するスロットローディング仕様を保ちながら、17インチモデルと同じDual Layer仕様に強化された。

写真は左から本体前面/背面/右側面/左側面。前面のApple Remote受光部もiSightのインジケータに続いて消してほしい……。一見変わっていないように見える本体背面は、これまで縦向きだった放熱スリットが横長になり放熱効果を上げている。重要なI/Oポートは右側面に用意されている。これまで17インチ版のMacBook ProにしかなかったFireWire 800も追加された。DVI-Dポートはデュアルリンクで30インチのディスプレイにも対応する。向かって左側面には、足をひっかけても大丈夫な磁石固定型電源ポートMagSafeと、USB 2.0、そしてアナログ/光のどちらの入出力にも対応したライン入力およびヘッドフォン端子、そして対応機器が充実してきたExpressCardスロットが並ぶ

 アップルが表立ってうたっているのは、この5点(CPU、メモリ、HDD、FireWire 800、SuperDrive)だけだが、内部に目を向けると、どうやら新MacBook Proには、ほかにも隠れた改良がそこかしこに潜んでいる。

 まず先のベンチマークでグラフィック系の性能があがっていたのは、どうやら内蔵のATI RADEON X1600Proが、バージョンアップされ、以前よりも動作クロックが向上していることが関係あるようだ。

 これに加えて何も変化していないように見える無線LAN機能もひっそりと強化されている。来年以降の普及が見込まれている次世代無線LAN技術、IEEE 802.11nのドラフト規格に対応したモジュール(Atheros AR5008)が搭載されており、来年以降ファームウェアの更新で同規格に対応する可能性も出てきた。

 また外観的変更もいくつかある。これまでiSightの横にあったカメラのオン/オフを示すインジケータがアルミベゼルの内側に目立たない形で隠された点。一見するとただのアルミフレームなのだが、iSightの使用を始めると、その内側から緑色の光りが透けて見えるのだ。

新MacBook Proを見分ける最良の方法はiSightの横に黒い点があるかどうかだ。このiSightのオン/オフを知らせるインジケータは、新MacBook Proではアルミフレームの内側に隠された。iSightをオンにしたときだけベゼルに用意された見えない大きさの穴から光りが漏れてくる(写真=左/中央)。無線LANチップは802.11nドラフト準拠のAtheros AR5008(画面=右)

 インタビュー記事でも取り上げたように、世界的に話題となったこの外観変更だが、どうやらその仕組みが見えてきた。液晶正面に直接光が当たらない場所でいろいろ角度を変えながらこの部分を見ると、角度によってこの当たりが暗く沈むことがある。やはり目に見えないくらいの微細な穴が貫通しているのであって、光りを通すほど薄くフレームを削っているわけではなさそうだ。

閉じた状態で上から見たところ。1枚板の中央にロゴマークが掘られたMacBookシリーズ統一のデザインだ。エッジがきれいに丸く切り取られており光りを浴びてきれいなグラデーションを描く(写真=左)。巨大なバッテリーと、その上のメモリ取り付け用ポートがあるだけで後はすっきりまとめられた本体底面。バッテリーには単体で残量を確認できるインジケータがついている。中央からやや右側にずれたこのバッテリー位置が手に持った時にしっくりとくる重量バランスを生み出している(写真=中央)。コード巻き取りも可能な電源アダプタは前MacBook Proと同じで、同クラスの他社製品と比べるとさほどでもないが、アップル製ノートPCとしてはやや大型(写真=右)

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