アップルがインテルCPUへの移行を発表してから無視できないのがBootCampの話題だ。新MacBook Proでも、当然、BootCampを使ってWindowsを動かすことができる。いや、それどころか新MacBook Proの登場にあわせてリリースされた最新版BootCamp 1.1.2 beta(執筆時点では米国サイトでのみ配布中)を使えば、かなり快適に使うことができる。
例えば右クリックの操作にしても、パッド上に指を2本置きながらトラックパッドボタンをクリックする、MacBookシリーズでお馴染みの操作でできるようになった。当然、指2本をパッド上で滑らせてスクロール操作をすることも可能だ。また内蔵iSightや内蔵マイク、USB FAXモデムにも対応した。
さて、Windows XPをインストールして定番のベンチマークテストを行った結果は以下の通り。
Windows環境で行ったベンチの結果は、Macで行ったベンチマークテストの結果よりもさらに劇的な変化を見て取ることができる(しかも、こちらはOSも毎回、同じCD-ROMからインストールしているので、環境は一定に保たれている)。
もしかしたら、アップルが新MacBook Proの劇的進化を大々的に見せないのは、まだソフト側の準備が整っていないという理由があるのかもしれない、と勘ぐってしまうくらいだ(もっとも、ソフトの問題であれば来年以降のアップデートでいくらでも解決できる)。
さて、冒頭でも触れたように新MacBook ProにインストールできるOSは、Mac OS XとWindows XPばかりではない。Windows Vistaの32ビット版や64ビット版もインストールできる。さっそくマイクロソフトのWebサイトで配布中のWindows Vista RC1をインストールし、動作を試してみたところ、AeroのグラフィックをはじめとするVistaならではの機能を満喫できた。
まだExpressCardが使えなかったり、日本語キーボードを使った文字入力がしづらい(「英数」キーを使って入力モード切り替えができるようにはなった)など、いくつかの問題はあるが、BootCamp最終版でこうした細かな問題点もなくなるとしたら、Windows Vista ReadyのノートPCとしても、かなりの魅力を感じる。
なお、Mac環境をメインに使う人なら、BootCampよりもParallelsを使ったWindowsの動作が気になるところだが、これについてはPCMarkや3DMarkといったテストは互換性の問題で動かないので試していない。ちなみに、この互換性の問題はParallelsのソフト側の問題で、開発者もいずれ克服したいと語っている(年末にはライバルのVMwareのMac版も登場するので、これも楽しみだ)。
現在はプロ用アプリケーションが快適に動く37%高速なノート型Macとしてひかえめに存在感をアピールしながらも、来年以降はMac OS X「Leopard」や、Windows Vistaなどの登場でさらに大きく魅力を開花させる。この新しいMacBook Proは、息長く楽しめるマシンとなりそうだ。
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