Dimension×AMD製CPUはどんな味!?――デル「Dimension E521」Athlon 64 X2からSempronまで(1/2 ページ)

» 2006年11月08日 11時11分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

2つのAMDプロセッサ採用モデルを用意

AMD製CPUを搭載したDimension E521

 デルが9月13日に発表した「Dimension E521」は、同社初のAMD製CPUを搭載するミドルタワー型のデスクトップPCだ。今回のAMD製CPUの採用により、同社の個人向けデスクトップPCのラインアップは、スリムタワー型がインテル製CPUを使った「Dimension 9200C」とAMD製CPUの「Dimension C521」、ミドルタワー型がインテル製CPUの「Dimension 9200」とAMD製CPUの「Dimension E521」、そしてフラッグシップモデル「XPS 700」の計5製品に広がった。

 AMD製CPUを備えたDimension E521と同C521の違いは、ボディサイズの大小とそれに伴う拡張性およびグラフィックスカードの選択肢のみで、チップセットも共通だ。両モデルとも、従来のエントリー機Dimension 1100と同3100cを置き換えるもので、10万円を大きく下回る低価格が魅力だ。

低価格機ながらデュアルコアCPUを選択可能

デルのコンシューマ機では初のSocket AM2採用モデルだ

 注目のCPUだが、本機で選択できるのはデュアルコアのAthlon 64 X2 5000+(2.6GHz)/4600+(2.4GHz)/3800+(2.2GHz)、そしてシングルコアのAthlon 64 3500+(2.0GHz)、AMD Sempron 3400+(2.0GHz)と、ローエンドからミドルハイまでをカバーする構成となっている。ちなみに、CPUソケットは940ピンのSocket AM2なので、より上位のAthlon 64 FX-62に換装することも不可能ではないが、本機のポジショニングを考えると(電源ユニットの容量が305ワットと少なく、SLI/CrossFire構成も搭載できない)XPS 700のAMD版の登場を期待したくなる。

 マザーボードはBTXフォームファクタに準拠したもので、チップセットにNVIDIA nForce 430 MCPを採用する。ノースブリッジはグラフィックス機能を統合したGeForce 6150 LE、サウスブリッジはnForce 430MCPで構成される。拡張スロットは、PCI Express x16が1本、PCI Express x1が1本、PCIが2本で、グラフィックス機能はオンボードのGeForce 6150 LEのほかに、PCI Express x16接続のATI RADEON X1300 Pro(グラフィックスメモリは256Mバイト)、またはNVIDIA GeForce 7300 LE with TurboCache(ローカルメモリ128Mバイト/最大256Mバイト)が選択できる。いずれもミドルクラスのグラフィックスカードなので、3Dグラフィックスを駆使したMMORPGなどでも十分対応できるだろう。

 また、メモリスロットを4本備え、柔軟に容量を選べるのもうれしいところだ。もちろんデュアルチャネルメモリアクセスをサポートしており、512Mバイトから4GバイトまでのPC2-4200対応DDR2 SDRAMメモリを装着できる。なお、マザーボード上には4ポートのSerial ATAコネクタとFDコネクタは用意されているが、IDEコネクタは備えていないので購入後に自らの手による拡張を考えている場合は要注意だ。

 前モデルのDimension 1100がPentium 4/2.8A GHzまでしか選べず、チップセットも旧型のIntel 865GVであったことを考えると、基本性能の底上げは著しいと言えるだろう。

BTX準拠のmicroBTXマザーボードで、チップセットにはnForce 430 MCPを実装する。100BASE-TXのLAN機能は備えるが、IEEE1394はオプションのPCIカードでの提供だ
評価機にはTDP89ワットのAthlon 64 X2 3800+(2.0GHz)と512MバイトのPC2-4200のメモリが2枚搭載されていた
写真はPCI Express x16接続のグラフィックスカードで、ATI RADEON X1300 Proと256Mバイトのグラフィックメモリが実装されている。ほかにもNVIDIA GeForce 7300 LE with TurboCache搭載カードが選べる

BTXフォームファクタを採用し拡張性も十分

 ボディは、静音性と排熱効率に優れたBTXフォームファクタが採用されていて、両サイドが白、天板とフロントがシルバー、ドライブベイ部分が黒というデザインだ。これは上位のDimension 9200のデザインを継承したもので、容積は約35.6リットルとやや大柄だ(9200は約39.4リットル/1100は約28.8リットル)。これは従来の1100に比べ、3.5インチのオープンベイが1基増えたこと、新たにBTX対応となったことが原因だ。

 一方で良好なメンテナンス性は維持されている。天板の背面側にハンドルノブが用意され、これを引けば天板が外れて簡単に内部へアクセスできるほか、各ドライブや電源ユニットまでワンタッチで着脱可能だ。

 ケース前面には吸気口と12センチ角の大型ファンが並び、効率的にCPUやグラフィックスカードの熱を背面に排気してくれるのはBTXフォームファクタならではと言える。試しにシステムに高い負荷をかけてみたが、冷却ファンから発生する騒音は意外なほど少ない。

ケースはBTXフォームファクタを採用しており、前面に大きな吸気口と12センチ角のファンを備える(写真=左)。CPUには、ヒートシンク部分にある2本のネジを外すだけでアクセスできる(写真=中央)。光学ドライブ/HDDともに工具を使わずに着脱が可能だ(写真=右)。ベイカバーの裏側にスペアのネジが用意されている

 拡張性に目を移すと、5インチベイと3.5インチシャドウベイが各2基ずつ、3.5インチオープンベイが1基という内容だ。HDDは320/250/160/80GバイトのSerial ATAを最大2基搭載できるほか、光学ドライブはSerial ATA接続のDVD+R DL対応DVD±RWを筆頭に、CD-RW/DVD-ROMコンボドライブ、DVD-ROM、CD-ROMのいずれかを最大2基内蔵できる。

 HDDを2台選択した場合に限り、RAID 0(ストライピング)またはRAID 1(ミラーリング)構成を選べる。ただし、3.5インチシャドウベイは2つしか用意されていないため、BTOオプションを利用した3台めのHDDは実装できない。FDDや13メディア対応のカードリーダ/ライタを選択しなければ、ユーザー自身の手によって3台めのHDDを3.5インチオープンベイに装着可能だが、メーカー保証外の作業となるのであまり積極的にこのような手を加えたくないというユーザーもいるだろう。この制限もDimension 9200との差別化から来るものだと思われるが、大容量HDDへのニーズは強いのでBTOで3台以上のHDDが選べれば、さらに魅力的な製品となることは間違いない。

 なお、OSはWindows XP Home Edition/同Professionalのほか、別途PCI接続のTVチューナーカードを選択すれば、Windows XP Media Center Edition 2005に変更することも可能だ。

容積が約35.6リットルのミドルタワーケースを採用する。サイドカバーはワンタッチで着脱できるほか、主要パーツも工具を使わずに交換可能だ。ケース内部はゆとりがあり、メンテナンス作業も容易に行える。電源容量は305ワットだ

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